例年とは違った秋夕
広告
昨日10月4日は、秋夕だった。
秋夕(チュソク、추석)とは、朝鮮半島で陰暦の8月15日(中秋節)を指す。祭祀(法事)や墓参など先祖の霊を供養する行事が行われる祭日だ。
これまでは、私が昨年まで住んでいた実家で、長男である父の指揮の下で祭祀を行っていたが、今年は様相が違った。昨年末に亡くなった父、今年6月に亡くなった祖母の祭祀を行ったのだ。
先祖の遺影を前にクンジョル(큰절)をしながら、さまざまな思いが胸に去来した。
昨年末から今年にかけて父、祖母が相次いでこの世を去った。それにともなって、お墓、相続、祭祀などさまざまな問題が一気に噴出。といっても、何か深刻なトラブルが発生したというわけではなく、多くの家で提起される問題ではあるのだが、問題の解決にあたる当事者の中でも長男の長男である私が背負う責任はどうしても大きくなる。いつかはクリアすべき問題、それがまとめて目の前にあらわれただけ、と自分を奮い立たせている。
生前、父がある人から依頼されていた仕事があった。ミッション①②のうち①が8割方終わっていたが、「完成」にはいたらず亡くなった。それを自分が引き継いだ。専門外の案件だったが、周囲の人々の助けもあって、ミッション①を何とか終わらせた。②がまだ残っているが、一つの区切りがついたということで、今回実家に帰った際に仕事の成果物を霊前にささげてきた。少しは喜んでくれただろうか。(相)