朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を!全国集会で見た光景
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少し前の話になりますが、10月25日、「朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を!「高校無償化」裁判 全国集会」が代々木公園イベント広場野外ステージで行われ、参加してきました。
東京での無償化裁判の不当判決に全員が憤っていたと思います。そのなかで印象的だったのが、東京無償化裁判の弁護団、李弁護士の発言でした。裁判の状況について報告しながら、李弁護士は、「大阪での勝訴は歴史的で極めて貴重なもの。素晴らしい判決が出た。広島、東京での不当判決を糾弾するのはもちろんだが、大阪での勝利を受け止めもっとポジティブに闘っていくべきだ」と訴えました。
集会が終わる頃には雨もあがり、代々木公園から渋谷の繁華街へ、参加者たちによるパレードが行われました。繁華街を歩くほとんどの人々は特に関心を示すことなく歩いていました。それとは対照的に外国人観光客は写真を撮るなど興味深げにながめていました。
その中で1人、中年サラリーマン風の男性が目に留まりました。パレードの隊列から、「朝鮮学校に対する差別、絶対反対、反対、反対!」というシュプレヒコールがあがるのに合わせて、その男性は「絶対賛成、賛成、賛成!」と声をあげていました。その表情には笑みが浮かんでいました。
その姿を見ていて、非常に悲しい気持ちになりました。今の日本は、「北朝鮮」を悪魔化し「北朝鮮」に関係すると思われるものには、何をやっても許されるという社会状況があります。いつも思うことですが、攻撃する人たちは、差別意識以上に被害者意識を持っているのでしょう。それと、「高校無償化に外国人学校の中で朝鮮学校だけが適用するよう求めている」「在日朝鮮人は税金を払っていない」などなど、基本的なところで間違った認識をしているという現実もあります。
その日は、集会とパレードを反対する人たちも集まって、その人たちなりのシュプレヒコールを叫んでいたのですが、そういう人たちではなく、一般の普通の人たちに「反北朝鮮」「反朝鮮人」の意識が広がっているのは、非常に怖いことだと思います。
集会とパレードには、多くの日本の人たちも参加していました。その人たちの多くは、国による朝鮮学校排除を、自分自身の問題、日本の将来を左右する問題として捉え、取り組んでいます。同じ日本に住む人間なのに、この差はなぜ生まれるのか? 非常に難解な問題ですが、そこに希望もあるのだと思っています。(k)