2年ぶりの北南会談
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すでに内外のメディアで大きく報じられているが、9日、朝鮮民主主義人民共和国と韓国との北南高位級会談が板門店で約2年ぶりに開かれた。
会談の結果、2月に韓国の平昌で行われる冬季オリンピックに北側が高位級代表団や選手団、応援団などを送ることが決まった。また、北南間の軍事的緊張状態を解消するために軍事当局会談を開催すること、さまざまな分野で交流や協力を活性化すること、関係改善に向けた高位級会談とともに各分野の会談も開催すること、などで合意した。
北と南が会談するのは2015年12月の次官級会談以来、2年ぶり。文在寅政権になってからは初だ。
皮切りとなったのは、北側の金正恩・朝鮮労働党委員長の新年の辞だ。金委員長はここで北南関係の改善に言及しながら、平昌冬季五輪の成功のために選手団を派遣する用意があることを表明した。南側は北側の提案に支持を表明、高官級の当局者会談を9日に板門店で実施することを提案し、これを北側が受け入れた。この流れを受けて、16年2月から途絶えていた板門店の北南ホットラインも再稼動。米韓の首脳が平昌五輪期間中、合同軍事演習を行わないことで合意したとも伝えられている。
年明け早々、北南関係の改善に向けて情勢が目まぐるしく動いている。北側の平昌五輪への参加に関して言えば、どの種目に誰が出場するのか。開会式での合同入場が実現するのか、など話のネタは尽きない。が、今の時点で性急な楽観や悲観はするまいと心に決めている。まだ始まったばかりだ。
今週末から仕事で訪朝する。2~3ヵ月現地に滞在しての取材活動だ。出発日が迫ってきてからの急転直下の情勢の進展。真冬の寒さにめげず仕事をしてこいという激励として受け止めたい。(相)