画期的だった平昌五輪が閉幕、そして東京五輪へ
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平昌冬季五輪が2月25日に閉幕しました。
画期的な五輪でした。今回は競技よりも北と南の交流という次元の違う楽しみに満ちた五輪となりました。朝鮮民主主義人民共和国が参加を表明したことから事態が急変しました。開幕式で実現した北南共同入場。五輪では06年のトリノ冬季五輪以来のこととなります。
選手たちが手に手に統一旗を持って入場する姿、北と南の選手がともに聖火をもって階段を駆け上がる姿は、胸を熱くさせました。
女子アイスホッケーでは、五輪史上、初めて北と南の統一チームが実現しました。戦績こそ5戦全敗と残念でしたが、試合ごとにチームワークがとれ実力が上がっていくのがわかりました。報道だけを見ても日々、心が一つとなっていくのがわかりました。チームの監督も良かったですね。統一チームが解散し別れるときには、選手たちは涙を流し抱き合って別れを悲しんでいました。今後、選手たちが再び出会える日はいつになるのでしょうか。
北の高位級代表団、芸術団、応援団と大量の人たちが南の地を訪問しました。総聯応援団も組織されました。直接出会い語り合うことから、すべてのことが始まるのだと思います。
そういう意味で、平昌冬季五輪の意義はとてつもなく大きかったと言えるでしょう。
さて、東京五輪が2020年に開催されます。朝鮮が参加するのかしないのか、まだわかりません。2月23日、総聯中央が入る朝鮮会館が銃撃されるという事件が起こりました。日本社会がこの間、朝鮮を「悪魔化」し、社会全体が「反北朝鮮」の雰囲気で満たされていることが背景にあるのは間違いありません。今後、在日朝鮮人の安全は守られるのでしょうか? 東京五輪に朝鮮の選手団が参加したとして、このようなテロが起こらないと言えるのでしょうか? 今回のテロ事件に対して、日本当局そして日本社会はどのような対応を見せるのでしょうか?
日本人が今回の事件に対し、「在日本朝鮮人総連合会中央本部への銃撃テロに対する声明」を出しています。その中の一節を紹介します。
「…今回の銃撃事件を単なる「建造物損壊」などと矮小化することなく、テロリズムであり、民族憎悪に基づくヘイトクライムとして非難する世論を高めていかなければならない。政府、報道機関はその先頭に立ち、テロは許さないという態度を毅然と示すべきである。ネット等で流布される過激なヘイトスピーチや、無責任で排外的、好戦的な言説に批判を加えること抜きに、人権と民主主義を守り、平和を維持することはできない。」
2020年までに日本社会が変わり、東京五輪で北南共同入場を見たいものです。(k)