圧巻だった2人芝居「キャラメル」
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今日、4月24日は、4.24教育闘争から70年目に当たる日です。70年前の闘いですが、この70年間、ずっと在日朝鮮人は闘い続け今も闘っています。逆に言うと、日本当局の在日朝鮮人に対する弾圧は70年間続いているということです。
教育闘争と根っこを同じくするのが日本軍「慰安婦」問題です。この問題をテーマに22日、23日に行われたのが、「いま、日本軍性奴隷問題と向き合う 被害者の声×アート」。このブログでも2度紹介したイベントで、私も参加しました(ブレヒトの芝居小屋)。
イベントではパネル展示やアート作品の展示、トークなど様々な催しが行われたのですが、ここでは、2人芝居「キャラメル」について書きたいと思います。
圧巻の内容でした。2日間とも会場は満員。特に日曜日は立ち見客が溢れるほど観客が詰めかけました。
幼馴染の二人のハルモニが出会うところから物語が始まります。物語の舞台は、そのうちの一人のハルモニの葬儀の場です。これまで多くの被害者が名乗り出ていますが、その何倍もの被害者が名乗り出ることも訴えることもできず、亡くなっていったことでしょう。芝居はそのようなハルモニたちの存在にスポットを当てます。
この2人芝居「キャラメル」。作ったのは「在日バイタルチェック」でおなじみのきむ・きがんさん。きがんさんと丁々発止の掛け合いを見せるのが東京演劇アンサンブルのホン・ミオクさん。在日朝鮮人の役者2人が、在日朝鮮人の被害者の存在を思い舞台を作り上げました。
舞台の後半、スッキハルモニが告白と告発を行います。十数分にわたる場面です。
日本の植民地支配により生活を破壊された朝鮮民族。資源や食料を奪われ、みなが貧しく暮らします。そんな生活でも、アッパ、オンマとの暮らしがありました。しかし15歳の時、キャラメルひとつで騙され戦地へと連れて行かれる少女。そこでは日本軍の相手をさせられ、殴られ、刀で切り付けられ…。解放後も故郷に帰ることができずに日本で懸命に生きてきたハルモニたち。
スッキハルモニは叫びます。「15歳に戻してくれ! それがでけへんのやったら、ちゃんと謝れ! 心の底からちゃんとした態度で謝れ! 二度とこんなことしません、ゆうて、世界中の前で、私らに膝をついて謝れ~! 私らの人生を返してくれ~!」
ハルモニたちは被害者である前に、一人の女性、一人の朝鮮人、一人の人間であると、訴えます。物語は、ハルモニが尊厳を取り戻す様子が描かれます。しかし、性奴隷とされた被害者たちが本当に尊厳を取り戻すためには、日本が過去をすべて清算しなければなりません。
ハルモニたちの孫がハルモニたちのことを知り、受け継いでいく、そのことが亡くなったハルモニの心を癒したのではないか。と勝手に解釈しています。
前半のハチャメチャで笑いに溢れたストーリー。酒飲みの二人は舞台上でぐいぐいと飲みます。イッキもしちゃう。ラストとのギャップが見事です。
この演劇は2回だけの公演では実にもったいないということで、日本各地で上演したいと考えているようです。そのためには資金が必要です。広くカンパをお願いしたいと思います。
さて、今日4月24日、大阪では4.24教育闘争70周年を記念する火曜日行動が行われます。、正午から大阪城公園の教育塔前に集合です。ぜひご参加ください。(k)