入管で、すったもんだ
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夏に中学生の息子が訪朝することになり、東京入国管理局に再入国許可を取りに行ったものの、すったもんだした話を書きます。
海外に出る場合、外国籍である私たちは、日本を出国して日本に再入国する場合に必要な「再入国許可書」を準備しなくてはなりません。
今回は急に決まった旅行ということもあり、旅券は取らないことにし、再入国だけを持って出国することにしました。
(注!:旅券=パスポートは、海外で身分証明を兼ねるので所持するのが基本です。)
入管のホームページをチェックし、必要書類を確認しました。
必要書類とは、以下(参照:http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-5.html)
①再入国許可申請書
②在留カード又は特別永住者証明書
※申請人以外の方が,当該申請人に係る再入国許可申請を行う場合には,在留カードの写しを申請人に携帯させてください。
③旅券を提示
※旅券を提示することができないときは,その理由を記載した理由書
④身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
④はなんだろうと思いながら、考えられるものを準備し、JR品川駅港南口からバスに揺られ入管に向かいました。
2階の再入国窓口に向かい、受付をすませ、あらかじめダウンロードしておいた申請書を提出。再入国許可申請書に「旅券を取得することができない場合は、その理由」を書く欄があるのですが、これもどう書けばいいのか迷い、在日本朝鮮人人権協会の知人に電話してアドバイスをいただき、書きこみました。
さっそく問題勃発。
私は息子の代理で再入国許可書を申請するので、親子関係を証明するものが必要だとのこと、子どもの保険証や医療証、私の在留カードを見せたもののダメ。住所が同じだと証明できればいいと思っていたのが、甘かったのです。ちなみに保険証には世帯主の名前が明記されているので、夫ならOKだった…。住民票を取ってくるように言われ、「やはり確認すべきだった」と激しく後悔、自宅最寄りの区役所へ移動しました。1時間以上のロスです。
旅券がない場合は、証明写真も2枚必要でした。→しかし、この点はホームページに載っておらず、たまたま証明写真を持っていたのでよかったのですが、旅券のない人は写真が2枚必要だと書いた方がいいと思い、窓口の職員にすかさず要望しました。
渡航先に朝鮮民主主義人民共和国と書かれているのを見て、窓口職員から渡されたのがこれ。
「自粛ってどういう意味ですか?」と聞くと、「政府から通知が来ているので、お伝えしています」とのこと。ムッとするこちらを怒らせないような、丁寧な言い方でした。窓口の職員に、悪気はないと思いましたが、「親戚にも会いに行けないんですか?!」と怒りを抑えられない私…。
海外旅行は、「日本の対朝鮮制裁」というものを、まざまざと見せ付けられます。10数年前の新婚旅行の際、朝鮮民主主義人民共和国のパスポートを持っていた私に、「これ、海外で見せないほうがいいですよ」と言い放った入管職員の言葉を思いだしました。そもそも入管には悪い印象しかなく、私を担当してくれた方は、比較的丁寧でしたが、隣のブースの担当者はベトナムの方への説明がなんとも横柄で、日本語や日本の制度をよく知らない方には、もっとやさしくしてあげてもいいのに、と思いました。
住民票をゲットし、6000円の手数料を支払い、再入国許可書を取得。半日潰し、職場に迷惑をかけましたが、14年もの間、日本を出国していない私には、必要な経験だったように思います。
読者の皆様には私のドジぶりをさらけ出すブログになってしまいましたが、伝えたかったことは2つ。
①法務省のホームページで、必要書類などの説明が腑に落ちない場合は、入管の担当窓口に電話をして確認する
②同胞の場合、特有の問題があり、何かわからないことがあれば、在日本朝鮮人人権協会や、同胞法律・生活センターなどに問い合わせる
対朝鮮制裁は依然、続いており、渡航先が朝鮮の場合、とくに嫌な思いをします。早く終止符を打ってほしいものです。14才の息子を連れて来なくてよかったと、神戸朝高生の悔しさをかみしめました。(瑛)