【ソウル発】南・北・海外共同写真展「평양이 온다」が開幕!
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北・南・海外共同写真展「평양이 온다(平壌が来る)」が、12月3日から今日にかけてソウル特別市鍾路区にある天道敎中央大敎堂で開催されている。
主管は韓国のネットメディア・民プラス、朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮6.15編集社、そして日本の朝鮮新報社だ。写真展への参加と取材のため、朝鮮新報社から6人の社員がソウルに来ている。
このような写真展は祖国分断以来、初めて。今年4月に板門店、9月には平壌で実現した北南首脳会談によって社会の雰囲気が変化する中、「板門店宣言」「9月平壌共同宣言」の履行を促し、統一の機運をより高めようと企画された。
初日には開幕式が行われた。民プラスと朝鮮新報社の関係者ほか、写真展を後援した各団体、議員、ソウル市民など多くの人が参加した。
開幕式では民プラスのチョ・ホンジョン理事長があいさつに立った。
また、朝鮮新報社の崔寛益主筆が発言した。
崔主筆は「朝鮮新報は、日本や大国のメディアが故意的に作りあげた北側に対する曇った印象や認識を解消するため、解放直後の創刊時から今日まで一貫して朝鮮半島の情勢と朝鮮民主主義人民共和国のありのままの姿を伝えてきた」としながら、「統一時代の要求に応じて、この展示会をきっかけに北と南をつなぐ架け橋としてさらに尽力していきたい」と話した。
民族和解協力汎国民協議会(統一問題に関する韓国内の合意を導き、民族和解と協力、平和を目指して1998年に発足された連絡組織)のキム・ホンゴル代表常任議長は、「写真を通して南北と海外の同胞たちがいち早く和解と統一を実現したようで、胸がいっぱいだ。1年前には想像もできなかった大きな変化が朝鮮半島で起こっている。この平和と統一への歩みはもう止まることがないだろう」とのべた。
開幕式が終わると、朝鮮新報社の盧琴順記者による写真の解説が始まった。今回、出展された写真は108点。そのうち80枚は盧記者が撮影したものだ。現地でのエピソードを交えた解説に、人々は興味津々だった。
その後も、会場を訪れた市民たちが思い思いに写真に触れた。顔を近づけてじっくりと見つめる人、スマホやデジカメで写真を撮る人、興奮して感想を交わす人たち。特に子どもをはじめとする平壌市民の豊かな表情を見て、顔をほころばせたり笑い声を上げる人が多かった。
昨日は女子高生たち10数人が先生と一緒に見にきたそうだ。
「韓国国民の生活と北の人々の生活はあまりにもよく似ているんですね」「分断の痛みを治癒できる日が来ることを願います♡」「民族の新しい世界、明るい未来、万歳!」「平壌が来る! 私も行きたい。自主統一のその日を早く迎えよう」…。感想ノートには老若男女の素朴な言葉が綴られていた。
小さい子どもがいる家族の姿も。会場を周ったあと、写真の前で記念撮影をしていた。
夫婦でふらりと立ち寄ったというある男性市民(53歳)は、「韓国では北に対するイメージがものすごく両極端。とても肯定的に話す人がいる一方で、それとは正反対の否定的な人もいる。一般市民はその間で混乱しがちだ。この写真展は比較的フラットなものだと思う。市民たちの目で客観的に見ることができる機会がもっとあればいいと感じた」と話していた。
ソウルの中心地にやってきた平壌。色とりどりで笑顔溢れる写真群はソウル市民たちに、北側に暮らす同胞の身近さと息づかい、親しみを感じさせた。同時に、あまりにも長い間、互いについてよく知らない時期が続いていたという今さらながらの実感も与えたように思う。
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朝鮮新報社一行は4日間の取材を終えて本日、日本に戻る。イオ編集部では写真展のほか、ソウルと釜山で統一運動や在日同胞との交流を促進する各団体を取材した。この期間、「統一」という言葉を何度聞いたかしれない。
イオでは何度も統一に関する特集を組み、自分自身もそこに関与してきたが、今回のたくさんの出会いによって実感がまだ全然足りなかったことに気づかされた。というよりも、出会い自体がまだまだ足りなかったのだと思う。
驚くような光景をたくさん目にし、市民たちの切実な願い、これまでの実践と経験に何度も言葉を失った。まだまだ書きたいことはたくさんある。イオ2019年の新年号でじっくり特集し、このブログでも引き続き紹介したい。(理)