「3・1独立運動」から100年、ブログ「日刊イオ」開設10年
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今日2019年3月1日は、一世紀前に朝鮮半島で起きた3・1独立運動から100周年を迎える日、朝鮮人自身が日本の植民地支配下にあった「朝鮮の独立」のために立ちあがった記念すべき日です。
数年前、本誌の誌面で朝鮮近現代史の連載「朝鮮、その時」を執筆したシン・チャンウ・法政大学准教授は、当時の光景を次のように描いています。
…3月1日、ソウルのパゴダ公園で大極旗が天空高くひるがえり、独立宣言書が朗読されると、「独立万歳」の声は万雷のようにこだまし、いつのまにか足の踏み場もない位、数万にのぼる群衆が集まり、市街地へと示威行動を始めました。
このときの朝鮮人民の開放感はいかほどのものだったでしょうか。
キム・サンは「アリランの歌」のなかで、「私は自分の心臓が破裂するのではないかと思われるほど、うれしかった。誰もかれも喜んでいた。私は興奮してしまって一日中食事を忘れていた。この3月1日には何百万人もの朝鮮人がみな食事をすることも忘れたろうと思う」と回想しています。
3・1運動の先駆けは、東京にいた朝鮮人留学生たちからでした。19年2月8日に東京YMCAで留学生大会が開催され、11人の朝鮮青年独立団代表団による独立宣言を発表。大会は日本の警察に弾圧され、多くの者が逮捕・投獄されるのですが、2・8宣言書は宋継白が警察の監視を潜り抜けて学生服のなかに隠して朝鮮半島に伝えたといわれています。この運動は朝鮮民族の独立への思いを内外に誇示したものの、日本総督府は大弾圧を加え、死亡者7509名、被傷者1万5961名、被因者4万6948名という甚大な被害を生みました。甲午農民戦争、義兵闘争に続く暴虐な弾圧でした。
昨日、朝米首脳会談が合意文なしに終了しましたが、日本の植民地支配に続く朝鮮半島の分断、朝鮮戦争の勃発と、朝鮮半島の一世紀は、まさに無数の民衆が命を落としながら、独立、統一を希求してきた歴史でした。
今回の会談で合意文が発表されなかったことは想定外で、私自身落胆はしましたが、過去に憎しみ、殺しあった朝米が互いに膝をまじえて両国の将来を話し合う、それだけでも数年前には想像できなかった。ハノイでの両首脳の姿は、朝鮮半島を平和を願う朝鮮民衆の力の産物だと思います。
歴史の流れの中に今日の自分がいる。3・1の日に、このことを痛感します。
日本国内では3・1運動の意義をみつめるイベントが各地で開かれるので、皆さん、ぜひ足を運んでください。詳細は巻末に掲載します。
さて、月刊イオ編集部にとって今日は、もう一つの記念日でして、ブログ「日刊イオ」が開設されて10年を刻む日でもあります。
この10年間、イオ編集部の12人がアップした原稿は、合計2890件。取材先で見たこと、感じたこと、日々の悲喜こもごもをこのブログで綴ってきました。大阪朝高ラグビー部が花園に出場した際には試合の速報を、無償化裁判の口頭弁論や判決も、速報を意識して報じてきました。
現在、日刊イオは平日に毎日更新していますが、一般の人たちにもイオを身近に感じてほしい、という思いから始めました。
10年たった今、さらなるバージョンアップが求められていると感じています。
例えばイオを読まない人たちは、どんなメディアを見て情報を集めているのでしょう。誰かとつながりたいと思ったときにどんなツールを通じて、人とつながるのでしょうか。
今、編集部では、イオの誌面はもちろん、ブログ、ホームページを通じても読者の皆さんと双方向の関係を築けるよう、対策を練っています。5月ごろには皆さんに新しいニュースを届けられるよう準備中です。
読者の皆さん、今まで日刊イオをご愛読くださり、コマプスムニダ。そしてこれからも日刊イオをご愛読ください!(瑛)
●3・1運動100周年記念イベント
◇東京
企画展示「3.1独立運動100年を考える―東アジアの平和と私たち―」
日時:2月6日(水)~6月23日(日)12時~17時 ※月・火曜は休館
入館料:一般400円、中高生200円
場所:高麗博物館(地下鉄「東新宿」駅徒歩4分)
関連講演:3月30日(土)14~16時・「東京2.8宣言と3.1運動」尹素英(韓国独立記念館学術研究チーム長)
※参加費は入館料含む1000円、電話にて要予約
主催・問合せ:高麗博物館/Tel:03-5272-3510
◇東京
3.1朝鮮独立運動100周年 東京集会
日時:3月1日(金)18時半~19時半
会場:新宿東口アルタ前
内容:リレートーク(朝鮮学校差別問題、ヘイトスピーチ、徴用工裁判、在沖米軍基地問題、「慰安婦」問題など)、キャンドルアクション
主催・問合せ:2019 3.1独立運動100周年キャンペーン/Tel:03-3362-6307
◇留学同がシンポ
日本の大学に通う同胞学生たちは、「3・1」の灯火が日本にいる留学生から始まったとして、100周年の意義を見つめる行事を意欲的に準備している。「日本では今なお侵略・支配の歴史を向き合うことはおろか、近現代の歴史を否定しようとする動きが強まっている」として、東京では3月3日のシンポジウムの前に王子駅前公園に集合し、示威行進を行う。
歴史家を集めたシンポジウム、関西、東海地方の学生たちが上演する演劇に注目が集まる。
●大阪
『怪物』たちの行進-朝鮮と日本、歴史と現在-
日時:3月2日(土)13時半開場、14時~17時
場所:クレオ大阪東(JR「京橋」駅南口徒歩10分)
入場料:1000円(高校生以下無料)
内容:第1部綜合文化公演「『怪物』たちの行進」/第2部シンポジウム「支配と闘争、その150年~「現在」をどのように認識し、行動(連帯)すべきか~」(康成銀・朝大朝鮮問題研究センター長/吉澤文寿・新潟国際情報大学教授)
主催・問合せ:留学同京都・兵庫・大阪(3.1.100.rht.kaibutsu@gmail.com)
●愛知
留学同東海綜合文化公演2019
《파란 등불(青い灯火)》 ~私たちの3.1独立運動~
日時:3月1日(金) 18時半開場 19時開演/3月2日(土) 18時開場 18時半開演
場所:レンタルスタジオ異空間(名鉄瀬戸線「喜多山」駅徒歩10分)
入場料:1000円(高校生以下無料)
内容:創作舞踊、サムルノリ、演劇、大合唱など
主催:留学同東海(Tel:080-5129-7599/E-mail:suryeol0704@gmail.com)
●東京
3・1人民蜂起100周年記念展示会
日本と朝鮮の150年史―日本の植民地支配と分断に抗して―
日時:3月1日(金):13~21時/ 3月2日(土):10~18時
場所:ムーブ町屋4Fミニギャラリー(地下鉄千代田線・「町屋」駅徒歩1分)
2日(土)15時
特別映像上映会「あの涙を忘れない!日本が朝鮮を支配した36年間」(日本映像記録センター・テレビ朝日、1989年、ドキュメンタリー/1時間半)、ゲストトーク:洪昌極さん(一橋大学大学院社会学研究科博士課程)「三・一運動の歴史的意義」
主催・問合せ:留学同東京・西東京・埼玉・神奈川県本部/E-mail:tokyorht@gmail.com Tel:03-6272-6607
●東京
シンポジウム「三・一」100年が問いかけるもの
日時:3月3日(日)13時半開場、14時開始
資料代:1000円(※学生500円)
会場:北とぴあペガサスホール(JR「王子」駅徒歩3分)
登壇者:康成銀さん(朝鮮大学校朝鮮問題研究センター長)「いま問い直す日本の植民地支配責任 ―日本の侵略・支配と民族独立運動―」/康宗憲さん(韓国問題研究所所長)「在日朝鮮人にとっての「三・一」100年―日本の過去清算と朝鮮半島の平和統一に向けて―」
主催・問合せ:留学同東京・西東京・埼玉・神奈川県本部/E-mail:tokyorht@gmail.com、Tel:03-6272-6607
※シンポジウムの前に示威行進を行う(12時終了予定)
●九州
『三・一』を記憶する~立ち上がろう、民族を生きる全ての人たちよ~
日時:3月1日(金)17時~20時半
内容:同胞青年学生たちによるディスカッション、3.1人民蜂起に関する映像上映・展示会
参加費:500円
会場:ウェルとばた 83・84会議室(JR「戸畑」駅徒歩1分)
問合せ:Tel:03-6272-6607/E-mail:rht@ryuhaktong.org