ダイビングワールドシリーズ相模原大会、朝鮮選手が銀メダル
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「FINA(国際水泳連盟)ダイビングワールドシリーズ2019・相模原大会」(3月1~3日)がさがみはらグリーンプールで行われました。同大会に、朝鮮民主主義人民共和国からキム・ミレ、キム・アリム、キム・クァンヒ、ヒョン・イルミョン選手ら4人が出場しました。
ワールドシリーズは世界ランキング上位選手を対象に毎年行われており、今大会につづいて、中国・北京(3月7~9日)、カナダ・モントリオール(4月26~28日)、ロシア・カザン(5月10~12日)、イギリス・ロンドン(5月17~19日)で大会が行われます。
朝鮮は国際大会の経験を積むため、昨年初めてワールドシリーズのすべての大会に出場。銀メダル7個、銅メダル1個を獲得しました。朝鮮の飛び込み界といえば、15年に行われた世界水泳選手権で朝鮮選手初となる金メダルをを獲得したキム・グクヒャン選手が記憶に新しいと思います。
2月27日に羽田空港に到着した選手団。28日は、大会を翌日に控えて試合会場で公式練習にのぞみました。
3月1日に行われた女子シンクロ10mにキム・ミレ、キム・アリム選手ペアが出場しました。
キム・ミレ選手(17)は、これまでグクヒャン選手とペアを組み、数々の国際大会に出場(16年リオ五輪4位、17年世界水泳選手権銅メダル)。昨年のワールドシリーズ・富士大会(18年3月)では銀メダルを獲得した、実績のある選手です。
キム・ミレ選手とペアを組む、朝鮮選手団最年少のキム・アリム選手(15)は、18年11月にシンガポールで行われたFINAダイビンググランプリに出場。女子シンクロ10m、ミックスシンクロ10mともに金メダルに輝いています。
この日、朝鮮ペアを応援しようと神奈川、西東京の地域同胞、朝鮮学校の児童・生徒ら約100人が会場に駆けつけました。
競技で朝鮮ペアは応援団の声援を後押しに、堂々たる演技を披露。5回の演技をミスなくこなし、合計319.50点を記録した朝鮮ペアは、1位の中国(340.44点)に次ぐ2位の成績で銀メダルに輝きました。
キム・ミレ選手は、「飛び込む前、緊張したアリムの心臓音が聞こえてきた。自分の飛び込みに集中しなければならないのに。でも、アリム選手と心を一つにしシンクロでメダルを取れたことは嬉しい」と振り返りました。
翌2日に行われた女子個人10mには、シンクロで銀メダルを獲得したキム・ミレ選手、ワールドシリーズ初出場となるキム・クァンヒ選手が出場しました。
キム・チュンオク団長(朝鮮水泳連盟飛び込み技術委員会委員長)によると、キム・クァンヒ選手(16)は、18年6月に中国で行われたダイビング・ワールドカップでシンクロ10m銀メダル、個人10m4位を獲得した実力が買われ、国際水泳連盟から直接招請を受けたといいます。
キム・クァンヒ選手は準決勝敗退となってしまいましたが、キム・ミレ選手は終始安定した演技を披露し、1位の成績で準決勝を突破、決勝へと駒を進めました。
6人の選手たちで争われた決勝戦で、キム・ミレ選手は1、2本目ともに難なく成功し、3位と好スタートを切りますが、3本目の演技でミスしてしまい成績を落とします。しかし、キム選手はミスにも動揺することなく4本目では渾身の演技を披露し、高得点を叩き出して挽回。メダル獲得へわずかな希望を残したキム選手でしたが、逆転できず、合計345.20点で4位の成績となりました。
続いて行われたミックスシンクロ10mには、ヒョン・イルミョン、キム・アリム選手ペアが出場しました。
選手団最年長のヒョン・イルミョン選手は、国際大会の経験が豊富で実績、実力ともに文句なしの選手です。
朝鮮ペアは1本目で3位につけ、上々の立ち上がりをみせますが、2本目でキム・アリム選手の演技にミスが生まれ、7位に転落。3、4、5、本目と追い上げますが、最終スコアは3位と2.04差の合計323.46点(4位)で惜しくもメダルには届きませんでした。
大会期間、朝鮮選手たちを応援しようと神奈川、西東京の地域同胞、朝鮮学校の児童・生徒らが会場に駆けつけ声援を送りました。2日間、会場に訪れ競技を観戦した呉洋子さん(78)は、「日本で競技をするのは不安やプレッシャーがあるはず。応援で不安を跳ね除け、気持ちを和ませてあげたいと思った。女子シンクロで2位が確定した瞬間、喜びをあらわにして抱き合う選手たちを見て胸がいっぱいになった。感激の一言」と感想を話してくれました。
大会期間、オモニたちが手作りキムチの差し入れたり児童・生徒たちは寄せ書きプレゼントしたり、歓送会で選手たちをねぎらうなど同胞たちは朝鮮選手団をあたたく歓迎しました。歓送会のようす、選手たちの素顔などは次回のブログで改めて書きたいと思います。
朝鮮選手団は4日の午後に羽田空港を出発し、ワールドシリーズ第2戦(3月7~9日)が行われる中国・北京へ向かいました。
今年7月には東京五輪の出場資格をかけた「FINA世界水泳選手権大会」が韓国の光州で行われます。(全)
(写真左からキム・チュンオク団長、キム・アリム、キム・クァンヒ、キム・ミレ、ヒョン・イルミョン選手、チェ・ソンヒ監督/写真はすべて朝鮮新報=盧琴順)