「アイたちの学校」が参院議員会館で上映
広告
朝鮮学校の歴史と現状を描いたドキュメンタリー映画「アイたちの学校」(高賛侑監督)の上映会が3月19日、参議院議員会館で開かれた。
上映会には朝鮮学校の関係者や日本の支援団体のメンバー、メディア関係者など40人あまりが出席。国会議員は、途中参加、途中退席を含めて5人が姿を見せた。
映画を初めから最後まで鑑賞した立憲民主党の那谷屋正義参院議員は、映画の中で大きく取り扱われた高校無償化制度からの朝鮮学校除外の問題について、「子どもの視点に立った、学ぶ者の視点に立った行政を行うというのが文科省の仕事だ。にもかかわらず、政治的な問題を持ち出してきている」と現政権を批判。「子どもの学ぶ権利を国境関係なく大事にするということが世界平和の一歩になる」としながら、出席者に向けて「民主党が政権の座にあったときになぜもっとしっかりとこの問題に踏み込まなかったのか、お詫びをしなくてはいけない。私も微力ながらみなさんと同じ立場に立って今後も頑張っていきたい」とのべた。また、「柴山昌彦文科大臣にこそこの映画を見てもらいたい」としながら、途中退席した元文科大臣の馳浩衆議院議員に対しても「最後まで映画を見てほしかった」とのべた。
「アイたちの学校」は当初、大阪で1週間上映の予定だったが、5週間に延長され、合計1594人が鑑賞した。4月以降、名古屋、広島、神戸、栃木、群馬の映画館でも上映が決定している。有志による自主上映の動きも広がっている。5月下旬に開幕する韓国の釜山映画祭(5月23~25日)からも招待を受けているという。
また現在、朝鮮学校の権利を守る国際的な運動を喚起するため、朝鮮語版と英語版を制作中だ。4月完成を予定しており、クラウドファンディングで朝鮮語と英語の字幕制作費用を集めている。
クラウドファンディングの詳細は、https://a-port.asahi.com/projects/aitati/
上映会が開かれた19日、参議院の文教科学委員会が開かれ、この場で立憲民主党の神本美恵子議員が高校無償化制度からの朝鮮学校除外問題について質問を行った。上映会に出席した田中宏・一橋大学名誉教授らによると、第二次安倍政権発足以降、国会でこの問題に関する質問が行われたのは今回が初めてだという。
文科省側の答弁にはこの問題に対する現政権のスタンスがよく現れている。議事録がまだ公開されていないので、以下のURLから、ライブ配信された動画を見てほしい。当該の質問と答弁は36:50すぎから57:40あたりまで。(相)
https://www.youtube.com/watch?v=SLPbTL2M77Y