ドキュメンタリー映画「ニジノキセキ」、5月11日より公開
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在日本朝鮮兵庫県青年商工会(兵庫県青商会)が企画・制作したドキュメンタリー映画「ニジノキセキ-『4.24』の未来へ、七色の架け橋-」が5月11日より元町映画館(兵庫県神戸市)で公開される。
先日、某所で行われた試写会に足を運び、一足先に映画を観てきた。
映画は、兵庫を含めた阪神地区が中心地となった1948年の4.24教育闘争の歴史をひもときながら、「『4.24』の精神とは何なのか?」の答えを見つけるために兵庫県下の朝鮮学校6校とそこで学ぶ児童・生徒、教職員、子どもたちの保護者、地域同胞たちに密着する。かれ、かのじょたちの姿を通じて、朝鮮学校の置かれた現状、そして未来への希望が描かれる。
上映時間約80分のドキュメンタリーの内容の詳細については公開前なので言及は控える。ぜひ劇場に足を運んで観覧してもらいたい。映画を企画・制作した兵庫県青商会はもちろんだが、朝鮮学校と名がつくものに対しては猛烈なバッシングが寄せられる、そんな風潮の中で上映を決断した元町映画館にも敬意を表したい。現在は元町映画館での上映スケジュールのみ公開されているが、今後、ほかの地方でも上映されてほしい。
「下を向いていたら、虹を見つけることはできない」(“You’ll never find a rainbow if you’re looking down”)
映画のタイトルにある虹にちなんでだろう、作中ではチャップリンの映画『サーカス』の中の一節が引用されていた。「今は苦しくとも、下を向かずがんばろう」という映画の作り手からのエールとして受け取った。
明日は4月24日。71回目の4.24がめぐってくる。
当時、朝鮮学校に通っていた児童・生徒たちも今は70代後半から80代半ばにさしかかっている。成人として4.24を経験した人々は今やほとんど残っていない。これまで私が4.24関係でインタビューしたことのある方々もここ数年でみな鬼籍に入った。71年前の出来事が今も語り継がれているのは、本作にも登場している方々も含めた数多の証言者、その証言を文書や映像で記録してきた有志、そして学者・研究者の方々あってこそだとあらためて思った。
今後の上映スケジュールや最新情報などは、映画の公式ウェブサイトで。
https://www.nijinokiseki424.com/ (相)