平壌での「はじめまして」
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ちょうど2年前の今ごろ、イオ編集部のメールボックスに一通の問い合わせが届いた。記事の内容についてもう少し詳しく知りたいというものだった。名前を見るに、それまで何度か読者カードを送ってくれている方だったのと、そのカードに私と同じ年齢が書かれていたので、その旨を伝えると自然と少し打ち解けた。
ぽつりぽつりではあるが、メールが1ヵ月ほど続いた頃。私が3ヵ月の朝鮮滞在をすることになり、しばらくメールはできなくなると伝えたところ…
「ウリナラ羨ましいなぁ! 当分メールは出来ないのは悲しいですが、8月に東京の方主催の訪問に混じって行こうと考えてて、もしかのもしかするとウリナラで初めて会うという素敵なことが叶うかもしれませんね!!笑」
とのお返事が。期待半分、本当に会えるかな?という気持ち半分で、平壌ホテルで日々それらしき訪問団に目を凝らしていた(事前に写真を交換しておけば良かったと、このとき気づいた)。
そんなある日、とある訪問団に後輩がいるのを発見! 試しに「◯◯さんって人わかる?」と聞くと、「え? そこにいますよ」。なんともスムーズに会うことができた。
「はじめまして!」と出会いを喜び、その日の夜は大同江ビールで乾杯して互いにこれまでの人生を語り合った。その子は日本とのダブルで、朝鮮学校には通ったことがない。自分なりに朝鮮と自身を見つめる過程で、同じくさまざまな背景を持つ同胞と出会ってきたという。私にはない経験と考え、人脈があり、話を聞くのが面白かった。
かのじょは関西に暮らしているため、この2年の間に会った回数はそれほど多くない。しかし定期的に近況報告などをして、変化の多い時期を共有してきた。
現在、その子がたまたま東京に来ている。今日の夜に会う約束をした。久々にゆっくり話を聞くのが楽しみだ。(理)