信号待ちでの出来事―この社会はどこに向かっているのか
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ある日の朝、会社に向かう途中で、信号待ちをしていた。4車線の道路。T字路で信号の手前に駐車している自動車もあって、目の前を通る自動車はいなかった。だからか、無意識に歩道から1歩出て、車道に立って信号が変わるのを待っていた。
そのとき私の横に、おばあさんとその孫と思われる5歳くらいの子どもが立っていたのだが、その子どもが私の方を見て、次のように言うのであった。
「車道に出ているよ。危ないよ。ダメだよ」
その言葉を聞いて、苦笑いをしてしまった私は子どもに、「そうだね。危ないね。ありがとう」と声をかけた。そのやり取りに、おばあさんも笑っていた。
しっかりした賢い子どもだな、と思ったのだが、同時に(誰にでもあまりそういうことを言わない方がいいかもしれない)という思いも持ってしまった。
前にこのブログで、自動車による事故と運転免許についての内容の中、あおり運転について「あおり運転のニュースを見ていると恐怖を覚えて運転しようという気持ちにならない」と書いている。
ニュース報道の情報だけで言うのだが、あおり運転の加害者は、クラクションを鳴らされたとか、マナー違反を注意されたとか、些細なことに激高し、非常に危険な行為、嫌がらせをしている場合が多い。
歩行中であっても、私と同じように指摘された大人が、どのような態度、行動に出るかわからない。非常に悲しいことだが、子どもの何気ない言葉が大きな事件につながる可能性もあるのではないか。今の社会では十分ありえるのではないか。こんなことを心配しなければいけない社会なっているのか、と考えてしまう。
5月末に起こった川崎での殺傷事件、6月上旬に起こった元官僚の息子殺害事件はショッキングだった。親が自分の子どもを虐待死させる事件も続いて起こっている。この社会はどこに向かっているのか、なんとかならないものなのかと、やるせない気持ちになる。(k)