茨城初中高で新たな取り組み! 18年度新設のビジネス系コース
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2018年度から茨城朝鮮初中高級学校(茨城県水戸市)で新設されたビジネス系コースについて紹介します。
同校では、18年度に高級部のカリキュラムを改編し、既存の文系、理系のコースに加えて新たに同コースを新設しました。
同校の尹太吉校長によると、コース新設のきっかけとなったのが「民族教育ビジョン2016」だといいます。「民族教育ビジョン2016」とは、少人数制、寄宿舎の強みを生かし同校の教育内容をさらに充実させようと16年11月に発表されたものです。
「同胞、保護者のニーズに沿って同胞経済界の核となる起業家を育てる。ビジネス系コースでは、その基礎、土台を磨きたい」(尹校長)
ビジネス系コースは、高級部2年から選択が可能で、高2では、「ビジネスマネジメント1、2」「簿記」の科目を週に4時間学び、高3では、上記の科目に「ビジネスマネジメント演習」を加えた3科目を週6時間学びます。
今学年度から講師を務めるのは、行政書士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級などの資格を有する崔理愛さん(48)。
取材に訪れた日、高2では「パンケーキ店」をテーマにマーケット調査や実際にパンケーキを作り、原価、単価、経費などについて学ぶ授業が行われていました。授業に先立ち、生徒たちは事前に県内のパンケーキ店に足を運び「実地調査」を行ったといいます。生徒たちは、チェックシートに沿って、店内の雰囲気、店員の印象、料理(味・ボリューム)、コストパフォーマンスなど実地調査の結果を発表しました。
高3の授業では、2チームに分かれて茨城県の特産物を利用したビジネスプランの作成に取り組んでいました。
納豆を中心に7つの特産物の成分を発酵・配合させたチューブタイプ栄養食の販売と宣伝方法を発表したチーム「ネバネバBOYS」。
一方、チーム「イバラブ」は、茨城県の世帯数減少と農業に注目。新婚夫婦を対象に地元の特産物を月に1回供給するプランを提案。農業大国である茨城の地産地消を活性化させ、農家の発展を目指すというビジョンを発表しました。
取材中、自身が高校生の頃、こんな発想できただろうか・・・と、斬新なアイデアが生徒たちの口から飛び交う光景に感嘆と驚きを覚えました。
「ビジネスは常に勝負の世界。その中でどれだけ抜きんでることができるのかが問われます。同胞社会、日本社会で通じる人材を育てていきたい」と話す講師の崔さん。今後、県内で開かれるビジネスプランコンテストへの参加をはじめ、同胞、日本の企業や店舗での研修も予定しているとか。
尹校長は、「たとえ児童・生徒数が少なくても、子どもたちには豊かな選択肢の中で心置きなく学ばせてあげたい。これからも、子どもたちの素質、能力、希望を花咲かせてあげることができるウリハッキョを目指して、教育内容の充実を図りたい」と抱負を話してくれました。(全)