“ひと粒”を集めて
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この前、「となりのトンポたち」の取材準備を進める過程で、とある支部の女性同盟部長と電話でやり取りしていたときのこと。「となりのトンポたち」は、障害のある同胞やその家族を、特別な形ではなく同じ地域の同胞社会に暮らす一人として紹介したいという趣旨で始まった連載企画だ。障害の受け入れ方は人によってそれぞれで、取材を遠慮される方もいる。
今回の取材依頼の際も、はじめはお断りの返事があった。しかし、間に入って下さった女盟部長がそのことを私に教えてくれた際、「私としては、こういうひと粒を紹介してほしい」と仰り、「今日いちど先方のお宅に行って話してみるからもう少し待っててね」と約束してくれた。
これまで聞くことのなかった“ひと粒”という言葉がとても印象に残った。同時に、女盟部長の思いがぴったりと表現されていて素敵な言葉だなと感じた。後ほどまた電話があり、取材OKのお返事が。
“ひと粒”の大切さはもちろん、その一つひとつをすくい上げるイルクン(※)のすごさ、記者をサポートして下さるありがたさについて改めて思った出来事だった。(理)
※イルクン~もともとの意味は“働く人”で、同胞社会では総聯の活動家を指す。他に本業を持たず関連組織で働く人を“専任”、本業を持ちつつ活動する人を“非専任”と呼び分けるが、主にはイルクン=専任という意味合いが強い