「週刊ポスト」の「断韓」特集
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小学館が出版している「週刊ポスト」が最近(9月13日号)、「韓国なんて要らない」という特集を組んで問題となった。執筆者が同雑誌への執筆を今後しないことを宣言したり、「ヘイトで金儲けをするな」という多くの批判もあった。が反面、ネット上では賞賛する声も多くみられた。
生まれて初めて自分のお金で「週刊ポスト」を買って読んでみた。
特集は10ページで組まれていた。趣旨は「嫌韓」ではなく「減韓」、「断韓」を考えよう、韓国との付き合い方を根本的に考え直そうというもの。特集の最初のリード文からひどいもので、韓国に対し、「いくら日本側が法と論理、正当な手続きを通じて関係を構築しようとしても、それが通じないのである」と非難する。
特集は、「軍事」「経済」「スポーツ」「観光」「芸能」の5つの分野で解説しているが、偏見にまみれスカスカの内容だ。「嫌韓」という個人的な好き嫌いの感情の段階から、「断韓」とまで言い切ったところが目新しいとも言える。本質は同じだけれど。
小学館は、殺到する批判に、「誤解を広めかねず、配慮に欠けておりました。お詫びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯に受け止めて参ります」という謝罪文を出したが、きわめて不誠実、誰に何を謝罪しているのかわからないあいまいなものだ。
歴史を歪曲して韓国を攻撃する、いわゆる「嫌韓」の風潮はネットが普及したころから顕著になってきた。歴史修正主義をまき散らす「マンガ嫌韓流」が出版されたのが2005年のこと。それ以後、同種の書籍や週刊誌の記事が垂れ流されてきた。テレビのワイドショーでも現在、連日、韓国の政治や社会問題を否定的な視点から放送している。今回、「週刊ポスト」の記事に批判が多く上がったが、大手出版社の出す週刊誌だったからなのか。氷山の一角にすぎない。(k)