“私たちが火種に”、ウリ民族フォーラム2019 in 九州
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九州7県、1000戸を訪問
九州青商会(福岡、熊本、鹿児島、宮崎、佐賀、大分、長崎県、朴潤浩会長)が主管する「ウリ民族フォーラム2019in九州」が9月22日、福岡県北九州市の北九州ソレイユホールで行われ、日本各地の青商会会員、同胞ら約2000人が観覧した。
今年で23回目を迎えるウリ民族フォーラムは、青商会が主催する年に1度の一大イベントで、1996年の北海道での初開催を皮切りに日本各地を巡回してきた。
九州でのフォーラム開催は2004年以来、2回目。今回のテーマは「ALL KYUSHU ハナロ(ひとつに)」「ウリ民族ハナロ」だ。
朝鮮半島が平和と統一を迎える時代に九州同胞コミュニティをより活性化させ、子どもたちの明るい未来を切り拓いていこうという思いが込められた。
九州青商会はこの間、フォーラムのテーマに沿って、九州7県の同胞1000戸を訪ね回り、同胞たちとつながり、交流を広げてきた。
ほかにも、7月7日に熊本県で行われた「蒼のシンフォニー」(監督=朴英二さん)の上映会、プロレス興行で生んだ収益を朝鮮学校に還元しようと九州青商会がプロモーターとなった全日本プロレスの「2019 SUMMER ACTION SERIES・北九州」(7月23日)の開催、朝高生と韓国・中国・ロシアなどにルーツを持つ同胞児童・生徒たちが民族や統一について考えた一大交流イベント「MEGA エキサイティングスクール」(7月26~29日)など、子どもたちの可能性を広げてきた。
フォーラムは、朝鮮学校に通う児童、生徒、朝青、文芸同福岡舞踊部、九州青商会による民族打楽器の力強い合奏で幕を開けた。
1部「ALL九州ハナロ!―九州同胞を訪ねてハナロ―」では、同胞1000戸の同胞宅を訪れた際のエピソードが映像とプレゼンターらのディスカッションで紹介された。
映像では、朝鮮半島との交流の歴史が根付く佐賀県有田、長崎県対馬への訪問、九州で2番目に同胞数が多い大分での活動が映し出された。一方で同胞数が少ない宮崎県での出会いには、同胞コミュニティがいかに重要かというメッセージが込められていた。
また、16年の熊本地震によって被害を受けた同胞たちのインタビュー、15年に本部会館を新たに竣工し、18年には朝青本部を結成した鹿児島の様子も映した。
1部の最後に登壇した九州青商会の金敏寛副会長(38、弁護士)は、九州同胞社会の歴史と現状について言及しながら、青商会の今後の活動として▼祖国や同胞社会に関する情報不足を補うために情報発信ツール「九州同胞ハナロ ライン@」を普及し、▼九州同胞たちの望むイベントを積極的に企画、支部や分会の行事などにも意欲的に参加していくことを約束した。
2部「ウリ民族ハナロ!-明るい未来に向かってハナロ-」はで、朝鮮学校の日常を映した映像が映し出され、児童、生徒たちの元気いっぱいの歌と踊りが披露された。
映像では、九州無償化裁判の地裁敗訴で涙ぐみながら国の不当性を訴える九州朝高生の姿、生徒たちの祖国訪問の日々、朝鮮学校に通う児童、生徒らが参加した「MEGAエキサイティングスクール」のようすが映し出され、観客の笑いと涙を誘った。
その後、朝高生、青商会会員らの合唱「我らの願いは統一(우리의 소원은 통일)」が披露された。
フィナーレ「ウリハナロ」では、児童、生徒、青商会会員ら総勢250人が出演し、九州各県を表す7色の花束を持ちながら集団体操を披露。未来への希望を表す虹を舞台上に描いた。
フィナーレで朴潤浩実行委員長は、「一人ひとりが力を持ち、その力を『ハナロ(一つに)』結集させていこう」と呼びかけながら、「青商会が火種となり子どもたちの未来を照らしていきたい」と決意をのべた。
その後、九州フォーラムの朴潤浩実行委員長(中央左)が中央青商会の白赳栄会長にプレートを手渡した。来年のフォーラムは、青商会結成25周年記念行事として中央青商会が東京で開催する。
佐賀県に暮らす朴学津さん(67)は、「青商会の後輩たちが子どもたちのため、同胞のために、試行錯誤をしながら一生懸命、活動を積み重ねてきた。フォーラムは九州を一つにしていく大きなきっかけとなったのではないか。九州の同胞たちが集まる場をもっと作っていってほしい。青商会には期待している」と感想をのべた。(全)