再開された「表現の不自由展・その後」と、会場前に広がった醜悪な光景
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愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、脅迫を含めた抗議が殺到して中止されていた企画展「表現の不自由展・その後」が8日に再開された。
再開は喜ばしいことなのだが、この日、会場前では醜悪なパフォーマンスが繰り広げられた。
「表現の不自由展・その後」の会場である愛知芸術文化センターと愛知県庁前で河村たかし名古屋市長が「座り込み」を行った。再開に対する抗議だという。報道によると、不自由展の開催は「表現の自由という名を借りたテロ的な、暴力による国民世論のハイジャック」などと持論を展開したという。まず、この「持論」が意味不明だし、座り込みの時間はたったの7分。誰に向けたものなのかわからないが、見苦しいパフォーマンスだ。
さらにこの座り込みの場にはレイシストたちも集まったという。
河村市長は「表現の不自由展・その後」の展示内容が「日本人の心を踏みにじるものだ」などと発言し、その後の同展に対する常軌を逸した脅迫、抗議をあおった「前科」がある。
今回の座り込みは、それ自体が市長にあるまじき恥ずかしい行為だと思うが、さらに問題なのは、名古屋市長という影響力の大きな政治家、公人によるこの行為がレイシストや排外主義団体、歴史修正主義者たちの活動にも「お墨付き」を与えたという点だろう(写真は「表現の不自由展・その後」の会場である愛知芸術文化センター、今年8月20日撮影)。
(相)