お助けとんぽライフ 家族の死:死亡届提出、埋葬・散骨など遺言にも対応を
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在日同胞が直面する生活上のさまざまな問題の解決法について、人生のステージごとにわかりやすく解説します。
文時弘 ●在日本朝鮮人人権協会
家族の死
Q1 先月号で登場したユンさんの高齢のアボジ(父親)ですが、夏場に体調を崩して入院すると、家族の必死の看病も実らず、そのまま亡くなりました。死亡後に遺族がとるべき手続きはどのようなものがあるでしょうか?
A:家族が亡くなった場合、死亡した(事実を知った)日から7日以内に市区町村役場に死亡届を提出する必要があります。その際、医師による死亡診断書が必要になりますが、病院では診断書と併合された届出用紙が備えられています。死亡届にあわせて、埋葬許可申請書を提出することで、火葬およびお墓への埋葬が可能になります。
死亡届を済ませることで住民票に死亡の事実が記載され、本人の住民票は除票となります。なお、韓国の家族関係登録簿が整理されている方の場合、領事館に死亡申告をすることで家族関係登録簿に死亡の事実が反映されます。
また、亡くなった方が老齢年金等を受給していた場合、年金事務所に年金受給権者死亡届を提出する必要があります。その際、要件を満たしている遺族の場合は遺族年金等の遺族給付が受給できるので、こちらの申請もあわせて行いましょう。
Q2 1世であるユンさんの父親は生前、「できれば海に散骨してほしい、それも可能であれば祖国の海に」と遺言を残していましたが、可能ですか?
A:日本には、散骨を直接的に禁止する法律はありません。したがって、特段必要となる許可申請等の手続きもありません。ただし、たとえば漁業を行っている岸や私有地の山に散骨するなどした場合、損害賠償など法律上の問題が生じうることもあります。また、散骨を規制する条例を制定している自治体もあるので、散骨をする場合は事前に調査することはもちろん、信頼しうる業者に依頼することも方法の一つといえるでしょう。
多くの航空会社は遺骨の輸送を認めており、海外に遺骨を移送することも可能ですが、必要書類等が航空会社や移送先の国によって違いがあります。また、可能な埋葬方法についても国・地域によって違いがあるので、航空会社の規定や移送先の法律を事前に確認しておきましょう。
朝鮮民主主義人民共和国には共同墓地等がありますが、埋葬や散骨を希望する場合、窓口になる総聯中央の祖国訪問事務所に相談する必要があるでしょう。なお、韓国においては散骨も可能です。
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