公開授業に思うこと
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11月16日、17日と都内の朝鮮学校の公開授業に保護者として参加した。
16日は、子どもが通う公開授業の案内係として授業を一緒に見て回ったり、焼肉交流会に合流した。学校には、目標の50人を大きく超える119人が訪れ感無量。一般の方々の参加はもちろん、地元の教育長や一番近い公立小学校の校長先生が来てくれたことが本当に嬉しかった。
今年4月に新しく赴任した校長先生をはじめ、オモニ会やアボジ会の役員たちが、この日のために半年間方々に出かけ、「子どもたちの姿を見てほしい」と訴えた気持ちが伝わったのだ。韓国のMBC、共同通信、テレビ東京などの取材陣も続々と公開授業について報じてくれた。数日前に東京新聞に報じられたことも、参加者が増えた要因だったと思う。
●韓国MBC
“차별하지 마세요”…在日 조선학교 ‘공개 수업’
http://imnews.imbc.com/replay/2019/nwdesk/article/5598933_24634.html
●共同通信
2019年11月16日
東京の朝鮮学校で公開授業 無償化排除の幼稚園も
https://this.kiji.is/568377194336339041?c=39546741839462401
●テレビ東京
朝鮮幼稚園が公開授業
https://www.tv-tokyo.co.jp/news/
14時半ごろだっただろうか。20代と思しき女性が校内の壁新聞を眺めていた。理事会のKさんが、「公開授業の時間がおわかりにならなかったようで、間に合わなくて残念」とのこと。高校無償化裁判の支援団体のニュースに載った告知を見て、本校を訪れたという。参加者中、8割は60歳以上、若い人たちの中には京都からわざわざ上京してくれた学生もいて、「明日は神奈川朝鮮中高級学校の文化祭に行きます」とのことだった。この気持ちが嬉しい。
終えてみて。実際この公開授業を開催するため、学校としては相当な労力を費やしてきた。他の学校もそうだろう。幼稚班が併設されている本校では、幼保無償化から排除されたことへの影響もさまざま出ていて、世論に大きく訴える必要があった。
しかし問題の根本を考えると、複雑な思いでやきもきしてしまう。
いつまで、私たちの側から、学校公開を続けなくてはならないのか!と。
いや、続けなくてはならないことは百も承知だ。だからこそ、この一日に感じた思いを語りあい、「今日をスタートに、顔の見える関係を築いていこう」とみんなで話し合った。
翌日は、東京朝鮮中高級学校の公開授業に足を運ぶ。
中3の日本語の授業は、北海道から佐藤天啓先生がお見えになり、朝鮮語と日本語を織り交ぜた「短歌の遊び」を催してくれた。青春をテーマにした短歌を匿名で発表し、それぞれが投票する、というもの。最後は一番票を集めた作者に「天」「地」「人」の称号が与えられ、作者が発表されると、さらに教室が沸き立った。授業を締めくくった佐藤先生は、「体の調子を崩していたけれど、みんなと会うと元気になります」と韓国で買ってきたかわいいステッカーを全員に配ってくれた。
2017年4月号の月刊イオで企画した「私が詠う五・七・五」https://www.io-web.net/2017/04/tokubetu4/に登場いただいた佐藤先生の授業を聞けて感無量、何より青春真っ只中の生徒たちが作る短歌の大半が恋愛ネタで、ストレートすぎる表現に恥ずかしくもなり、清々しくもなりと、とてもいい時間をすごした。
帰宅すると、前日の公開授業を取材した記者から「公開授業の取材が楽しかった」とのメールが届いていた。そう、交流とは互いに楽しくて、肩の力を抜いた、自然なものでいいと思う。(瑛)
はじめまして。第六幼初級学校の公開授業を拝見させていただきました。素晴らしかったです。みなさまのご尽力に心から感謝しております。感激のあまり、こんな記事を書いてみました。お暇なときにご覧いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。