ヘイトを絶対に許さない、川崎市の条例案
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神奈川県川崎市は11月15日、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」を発表した。条例案ではヘイトスピーチを繰り返した者に対し50万円以下の罰金を科すことや市が人権侵害の被害者に必要な支援を行うことも定めている。
2016年6月にヘイトスピーチ解消法が施行されたが、禁止・罰則規定のないもので、実効性に対する疑問の声も上がっていた。川崎市の条例案は、解消法の不備を補うものだと期待される。
これまで、東京・新大久保や大阪・鶴橋など在日朝鮮人が多く働き住む地域で「朝鮮人は出て行け」などと叫ぶヘイトデモが繰り返されてきた。川崎市も例外ではなかった。
川崎の市民たち、弁護士やジャーナリストたちは、それを絶対に許さないと立ち上がり、カウンターや行政への要請など、さまざまな活動を繰り広げてきた。
今回の条例案は、その運動の大きな結実である。
神奈川新聞の報道によると、福田紀彦市長は会見で「不当な差別を根絶する大切な条例。市民の総意となる全会一致で作り上げたい」とのべている。
条例案は今日、11月25日から開かれる市議会に提出される。
この条例案は、川崎市のホームページで閲覧できるし、これまでの経緯などについては神奈川新聞が詳しく報道しているので読んでもらいたい。この間、ヘイトスピーチ問題をずっと追いかけてきた神奈川新聞記者の石橋学さんのインタビューが月刊イオの今年2月号に掲載された。その内容はイオのHPで読むことができるので、それも紹介する。(k)
川崎市のホームページ
http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000108168.html
時代の正体 ヘイトスピーチ考 原点を見詰めて(5) ひるまず素案を前進
https://www.kanaloco.jp/article/entry-209021.html
ヘイトに刑事罰、違反3回で罰金 川崎市が条例案公表
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191115-00000032-kana-l14
月刊イオ2月号 ヘイトスピーチがゼロになる日まで(神奈川新聞記者・石橋 学)