東京朝鮮中高級学校美術部展「ふじゆうトピア」を見てきた
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先週、池袋で行われていた第14回東京朝鮮中高級学校美術部展「ふじゆうトピア」を見てきた。今年は1月22日から28日までの開催で、毎年この時期に開かれており、いつも足を運んでいる。
今回の部展「ふじゆうトピア」は、昨年話題となった愛知での「表現の不自由展・その後」から発想を得たものなのかと思っているのだが、どうだろうか? また、部展を前に学校にNHKの記者が訪れ生徒と面談したりと、今年は特に気になっていた。
会場でもらったパンフレットには次のように書かれている。
「あらゆる人が無言の圧力の中で暮らす「ふじゆう」な世界、「ふじゆうトピア」へようこそ! この世界こそがまさに全ての人々にとっての理想郷(ゆうとぴあ) 楽園の住人達が諸々の「ふじゆう」の中で織りなすアートを皆様と楽しむ事が出来れば幸いです。」
今回の部展には、部員だけではなく、外部のアーティストも参加し作品を展示しており、より重厚、重層な展示になっていたと思う。
すべての作品が力作だったのだが心に残った作品をあげると、中1の生徒が作った「反対運動」という作品(写真)。怪獣たちが道路をデモ行進し、それを「正義の味方」と言われているウルトラマンたちが眺めている。朝鮮学校差別に抗議するデモ行進に参加して発想を得た作品らしい。
もう一つは、「Cafe:Freedom of expression」という高3の生徒の作品(写真)。昨年、SNS上で大きく話題になった作品で、美術部に送られてきた大量のヘイトスピーチの文面を紙に書き写し、ボックスの壁に貼り付けて、その中に作者が入って観客と会話するというものだ。以前から見たいと思っていた作品だったし、作者とも少し話ができたのでうれしかった。
部展は年を追うごとに水準が高くなっており注目を集めるようになっている。今年は来場者が初めて1000人を超え1134人だったと先生がツイッターで報告していた。大成功だった。来年も訪れたいと思う。(k)