「リモートワーク with 赤ちゃん」を経験してみて
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「『リモートワーク』と『リモートワーク with kids』はまったく別物」
昨日、SNSのタイムラインに流れてきたこの投稿に、「そうだよね」と首肯しつつ、この間の在宅勤務を振り返ってみた。
4月8日の緊急事態宣言発令を受けて、イオ編集部も4月13日から在宅勤務にシフトした。
緊急事態宣言発令を受けて、私が住んでいる自治体からも、保育園の利用に関して、医療従事者をはじめ社会機能を維持するために就労を継続することが必要な人、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な人などをのぞいては在宅勤務などを通じて家庭で保育してくださいという登園自粛が要請された。
昨年9月に生まれた息子氏の保育園ライフは、慣らし保育をわずか数日行っただけで唐突に中断を余儀なくされた。妻も産休、育休を経て4月下旬から職場に復帰予定だったが、職場からの要請もあって育休を延長。かくして、家族3人の「巣ごもり生活」が始まった。
第一子の誕生を機に、昨年10月~11月にかけて育休を兼ねた在宅勤務を経験していたが、今回の在宅ワークはその時とはまた勝手が違った。
成長した息子氏は、新生児の時と比べて段違いに「手がかかる」存在となっていた。近ごろずりばいに成功した彼はこれまでの寝返り段階に比べて大幅な身体的自由を獲得した。順調な成長を喜んだのもつかの間、行動範囲が飛躍的に広がった息子氏から5分と目が離せなくなった。なにせ、少し目を離したすきにこちらが設定した行動エリアをやすやすと乗り越え、「冒険」を始めてしまうのだから。
ただでさえ大変な育児、家事タスクを妻にワンオペで押し付けることなどできない。まとまった時間、部屋に閉じこもって仕事に集中できる環境など望むべくもないので、リビング・ダイニングスペースにパソコンを置き、息子氏の姿を横目で追いながら仕事、育児、家事という3つのタスクに即応体制をとる。長時間の集中力が必要な原稿書きは、子が寝静まった夜か早朝に、という具合だ。
このままではいけないと思い、ベビーサークルをネットで注文したが、このコロナ禍で配送も遅れ気味。届いたのは6月号の締切が終わったあとだった。ともかく、緊急事態を理由に息子氏の移動の自由という人権を一部制限したことで今後の在宅勤務はだいぶ楽になるだろう。
冒頭に掲げた「『リモートワーク』と『リモートワーク with kids』はまったく別物」は昨年、在宅勤務を経験した時点で身に染みてわかっていたことだったが、今回改めて在宅ワークで仕事と育児を両立させることの困難さを実感した。(相)