ありがとう、西口洋平さん
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5月8日、キャンサーペアレンツ代表理事のhttps://cancer-parents.org/の西口洋平さんが亡くなった。(写真は西口さんのFacebookから)
西口さんは2015年、35歳のときにステージ4の胆管がんを宣告され、翌年16年4月、子どもを持つがん患者がつながるサイト「キャンサーペアレンツ」を立ち上げ、同じ悩みを抱える人たちをつなげる活動を続けていた。当時、西口さんの娘さんは6歳。当時、治療法が限られていた胆管がん、ご本人のショックはいかばかりだっただろう。
西口さんの活動を知ったのは、偶然見た朝のテレビ番組だった。子どもをそばに置きながら、話し合っているがん患者たちの姿を見て、「どうして、今までこういう人たちの存在を考えられなかったんだろう?」「自分ががんになったらどうしよう?」と、脳天をつかれた気がした。同じく、子育てをしながら、厳しい闘病をのりこえたホサンホさんとの対談をお願いしたところ、お二人とも、快く引き受けてくださった。(対談は2018年12月号の月刊イオhttps://www.io-web.net/2018/12/病を生きる-わが奮闘記/に掲載)
家族が重い病気を抱えた場合、本人はもちろん、その家族は突然ふりかかった難題に心の整理がつかない。まず生活が一変する。そして時には出口の見えない病と闘っていく。
西口さんの活動は、同じ境遇に置かれた人たちの孤独を見つめた活動だった。だからこそ、各地にひろがっていったと思う。数多ある情報の波のなかで、治療法をどう見極め、決めるのか、家族のこと、明日からの生活もある。同僚が闘病しながらの社会活動を応援してくれたこと、娘さんへの思い…。亡くなった今、対談でお聞きした西口さんの話がよみがえる。
この年になって、病で命を落とす人が周りに増えた。働き盛りということもあるだろう。
気になるのは、病気を知ったきっかけだ。「なんとなくだるい、けれど、仕事が忙しくて病院に行く暇がない」という話を聞く。気づくと病気が進行し、深刻な段階に至っているというケースが少なくない。調子が悪いと思ったら、すぐに病院に行ってほしい。
2人に一人ががんになる時代。新型コロナウイルス感染拡大のなかで、「命あってこそ」と思う。
最後の最後までツイッターで発信を続けていた西口さん。本当におつかれさまでした。そして、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。(瑛)