精神力を武器に、世界制覇を/Vol.4 チョ・ウノク
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Vol.4 女子マラソン チョ・ウノク(27)
1992年8月29日、黄海北道金川郡生まれ
過去の主な戦績
2016年北京国際マラソン大会:3位
2017年万景台賞国際マラソン競技大会:1位
2018年台北国際マラソン大会:1位
文:丁用根(朝鮮新報)、写真:盧琴順(朝鮮新報)
1999年、朝鮮のチョン・ソンオク(45、朝鮮マラソン協会書記長)が世界陸上(スペイン・セビリア)女子マラソンで金メダルを獲得し、世界の頂点に立ったことで朝鮮国内では空前の「マラソンブーム」が到来。多くの少年少女たちがマラソン選手として国際舞台で活躍することを夢見た。現在、朝鮮マラソン女子代表として数々の国際大会で実績を残すチョ・ウノク(27、鴨緑江体育団)もその一人だ。
黄海北道の青少年体育学校を卒業後、鴨緑江体育団に入団し、マラソン選手としてのキャリアをスタートさせたチョは、2014年の万景台賞国際マラソン競技大会で国際大会デビューを果たす。翌年からは朝鮮女子マラソン代表に選出。朝鮮女子マラソンチームの監督を務めるリョ・ボンヒョク監督は、チョを「強靭な精神力が何よりも大きな武器だ」と評価する。
着実に実力を伸ばしたチョは16年の万景台賞国際マラソンと北京国際マラソンで3位に入賞すると、17年には万景台賞で金メダルを獲得。国際大会での初優勝はチョにとって大きな自信となった。
しかし、その自信はすぐに打ち砕かれる。万景台賞優勝から約4ヵ月後の8月、チョはロンドン世界陸上に出場。世界のトップランナーたちが集う初めての大舞台での結果は29位と振るわなかった。チョは「トレーニングでもっとたくさん汗を流さなければならないという固い決意をもたらしてくれた大会だった。自分の成長にとってかけがえのない経験になった」と前を向いた。
悔しさをバネに一層トレーニングに励んだチョは、翌年のジャカルタ・アジア大会で5位に食い込み、台北国際マラソンでは金メダルを獲得。昨年は自己ベストを更新し、東京五輪の出場権を獲得するなど成長の1年となった。
「オリンピックや世界陸上の国際舞台で優勝し、朝鮮の名を世界にとどろかせたい。そのために、どんな厳しいトレーニングにも打ち勝っていくつもりだ」。チョは強靭な精神力を武器に、頂きを目指して走り続ける。