本と記憶
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近ごろFacebookで流行りの「#7日間ブックカバーチャレンジ」。その名の通り7日間、本の表紙を撮って投稿するアクションのことで、読書文化の普及に貢献するため誰かが始めたようだ。
始めるにあたってのルールは、①本についての説明は入れず表紙画像だけアップする、②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする…というもの。一種のチェーンメールである。
私も先日、先輩から指名を受けて昨日で3冊目の投稿を終えた。ただルールは勝手に改竄し、紹介する本の説明は入れ、次の人は指名しないことにした。表紙画像だけだと、もったいないなと感じたからだ。
しかし、いざ説明を書こうとしたところ、15年以上前に読んだものともなると内容は結構忘れていて思ったより書けない。その代わり、その本を手にしたきっかけや、その本を読んだ時にどんなことを考えたか、どんな時期を過ごしていたか…ということの方がありありとよみがえってきた。
これには少し驚きで、本というものは記憶装置のような役割も果たすのだなと気づいた。それも、子どもの頃に読んだ本ほどその密度が高いというか、映像としては記憶しているけれど当時は分からなかった相手の気持ちや意図などが、大人になって振り返ってみるとよく分かる、ということもある。
まさに本の魅力である「子どもの頃に読んだのと大人になって読んだのとでは感じ方が違う」というようなことが、記憶の面でも起きる。読んで楽しい、後年ひっぱり出してきて思い出をめくるのも楽しい。これからもっと本を大事にしようと思った。(理)