広島朝鮮高校無償化裁判控訴審、6月12日に結審
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国が朝鮮学校を高校無償化の適用対象から外したのは違法として、広島朝鮮初中高級学校を運営する学校法人広島朝鮮学園と同校卒業生らが国に対して処分の取り消しや損害賠償などを求めた訴訟(以下、広島無償化裁判)の控訴審がいよいよ大詰めを迎える。
今週金曜日(6月12日)14時から広島高等裁判所で第9回の口頭弁論期日があり、これをもって控訴審が結審する見込みだ。
広島無償化裁判は2013年8月1日の広島地裁への提訴から始まり、17回の口頭弁論を重ねて17年3月8日に結審。広島地裁は同年7月19日、原告全面敗訴の判決を言い渡した。原告側は8月1日、地裁判決を不服として控訴した。
翌18年5月15日に始まった控訴審で朝鮮学園側は、地裁判決が、朝鮮高校を就学支援金支給の対象とする根拠となる規定ハを削除した文部科学省令の有効性について判断を回避したこと批判。▼就学支援金受給は子どもたちの権利であること、▼規定ハ削除が政治判断であること、▼学校の運営状況は自主性が保たれている、▼歴史的経緯を踏まえれば、朝鮮学校と総聯が関係を持つことは当然である、などの点を中心に主張を展開してきた。控訴審では、一審で却下された証人尋問、とくに、日本全国5ヵ所で提起された朝鮮高校無償化裁判で初めて生徒の保護者の尋問が実現した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、この間、第9回の口頭弁論期日が2度にわたって延期となった。今回の期日でも、感染防止対策として傍聴席の数が通常の3分の1程度に制限される。(詳細は、「広島無償化裁判を支援する会」のFacebookページ、https://www.facebook.com/広島無償化裁判を支援する会-1180836021998442/ を参照)
結審を目前に控えた5月20日には、オンラインイベント「弁護士BAR 広島における朝鮮学校の高無償化除外の問題」が開催され、出演した朝鮮学園理事長、弁護団メンバーが広島無償化裁判控訴審への応援、関心喚起を呼びかけた。
私も当日は現地で取材する予定だ。2年間続いた控訴審の結審を見届けたい。(相)