三十にしてiPadを買う
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先週、ふとiPadを買おうかと思い立った。もともとLINEスタンプを自作したかったことに加え、定額給付金が支給されたことも大きい。
半年ほど前に(麗)さんがiPad Airを買っていたので感想を聞いてみると、デジタルで絵を描くことがいかに便利で楽なのか教えてくれた。
その後さまざまなブログ記事を漁ってiPadのどの機種がいいのか比較検討したり、どんな要領で絵を描いたらいいのか、YouTubeで紹介されている動画で観察してみた。
実際に工程を見ながら、デジタルとアナログは単に画面上に描くか紙に描くかの違いなのではなく、まったくの別物なんだなと理解した。ここら辺から、LINEスタンプを作りたいというよりもデジタルイラスト自体に興味が湧いてきた。
色の塗りつぶしは1秒でできる。数十種類の筆やペンの中から瞬時に切り替えることができる。絵を拡大して極細部の描き込みまでできる。修正も簡単にできる。曲がった線は直してくれる。にじませず陰影を表現することができる。
そもそもはじめから1枚にすべてを描き込まず、レイヤーというものを重ね何層にも分けて色を塗ったり線を加えたりするのが印象的だった。そうすると後で色の変更がすぐにできたり、範囲を指定して特定の効果をかけられるらしい。
はじめは、色塗りもすぐにできてしまうし線は直せるし、「お絵かき」というよりも「作業」になってしまうのでは?と感じたが、一定の単純工程を劇的に便利化することで時間や手間を短縮し、その代わりに別の機能を組み合わせ応用する方に力を割くことで、その人ならではの自由自在な表現が可能になるのかなと思った。
細かい設定や小技もすごい。ニッチな作業が必要になった場合、痒いところに手が届く機能がきちんとあるというか、「思考を先回りしてこんなものまで入れてくれるのか!」というショートカットが豊富にある。
まだ買ってもいないし、なんなら触ってもいない段階で友人に上のことを話すと「そりゃデジタルで描く人が開発したんやろ。だから自分が欲しい機能加えたんちゃう?」とこともなげに返された。あ、なるほどなあ~と納得。
なんにしても、この勢いだと近日中にiPadを買ってしまうだろう。昨日やっと実物を触り、欲しい型も決めた。
問題は描きたいものである。LINEスタンプは作ってみたいが積極的に売りたいというわけではなく、「なんとなくオリジナルのものを作ってみたいな」という感じでふんわり考えていた。試しに形にしてみようと紙に描き出してみたらこんなもんだった。
こういうゆるいものが好きなのである。ひとつ5秒で描ける。あたかもクリエイティブな人のごとく「自由自在な表現」などと言ってしまったが、正直いまの自分にiPadは必要ないだろう。
それは分かっているのだけど…。もう財布の紐はゆるみにゆるみ切っている。宝の持ち腐れにならないよう、今のうちから他に描きたいものを探しておこうと思う。(理)