ちょっとした事件
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ある日、お金を振り込もうと銀行に寄った。
タッチパネルを操作し、財布を取り出す。
すると、いつも入っているはずのキャッシュカードが見当たらない。
慌ててその場でリュックを漁り、中身を全部出してカードを探した。
ない…。まさに顔面蒼白。
いや、もしかしたら家か事務所のデスクに忘れてきたかもしれない…!
そう自分に言い聞かせながら、早足で家へ向かう。
帰宅後、カードを探しながら最近の自分の行動を振り返るが、いつどこで落としたのか検討もつかない。
自己嫌悪に陥りながらも、もしものことを考えて銀行にカードの利用停止をしてもらう。
翌日、警察が公開している落とし物検索も試してみたが、色や特徴が合っていても拾った場所や鉄道名を見てもイマイチ確信が持てず。
最近寄った店の店員にキャッシュカードの落とし物があるか聞いてみたが、「ない」との返答。
交番に紛失届を出して、最悪見つからなかった場合は再発行だなと…肩を落としながも、念のため、もう一度家の中を探そう…。
そういえばクローゼットはまだ調べていなかったと、僅かな希望を胸に扉を開ける。
あった。カーディガンのポケットの中に普通にあった。
たった5秒で見つかった…。
すぐ近くにあったのに必死に探していたと思うと笑えてくるが、何はともあれ見つかってよかったと心の底から安堵した。
これからは財布のカード入れにしっかりと入れておかねば…。(麗)