ふりかえり台湾➀
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月刊イオ2月号の特集は「世界を旅しよう~イオ誌上トラベル」! 旅行が夢のまた夢になってしまった今、それでも少しのリフレッシュを…との趣旨で企画されたものだ。たくさんの写真とともに個性あふれる執筆者らによる旅の記録が綴られている。
誌面を準備しながら、自分もちょうど1年前(2020年1月)の台湾旅行を振り返った。5泊6日のスケジュールで台北を中心に回りながら、高速鉄道に乗って地方都市である台中や高雄にも足を伸ばした。せっかくなので、日刊イオで2回にわたって観光したスポットと所感をまとめたい。
初日の朝に実家を出発し、お昼過ぎには台湾の桃園国際空港へ到着。現地で使用するポケットwi-fiの手続きなどしMRTと呼ばれる地下鉄のような乗り物で台北駅へ向かった。
このMRT車内は飲食禁止で、見つかると罰金を支払うことになる。日本円に換算して約5000円~なんと2万円以上になることも。私は事前にガイドブックでこのことを知っていたが同行者に教えるのを忘れていたため、相手がおもむろに飴を舐め始めた時には「あっ!」と大声を上げそうになった。しかも、隣に座った現地の女性がものすごい剣幕で睨んでいる。幸い、通報される前に舐めきって事なきを得た。到着早々ヒヤヒヤである。
無事、ホテルにチェックインしたあと周辺を散歩して夜市へ向かった。夜市とは巨大な屋台街のこと。ホテルから徒歩10分の場所にもあったが、この日は台北で最大規模の士林夜市へ。
飛行機内でサンドイッチを食べて以降、食事をしておらず空腹はピークに。エリアに入った直後、我慢しきれず最初の屋台グルメを購入した。腸詰めした太めのもち米を半分に切り、その間にソーセージを挟んだ一品、その名も「大腸包小腸」。あまりにもおいしくて写真は撮る暇もなかった。
その他、顔の大きさ程もあるフライドチキン「大鶏排」、うずらの卵の中身を素揚げにして串に刺したもの、各種肉の串焼き、炒飯とはまぐりのスープなどを食した。
この「快楽QQ球」はネーミング的にどうしても見過ごせず、人をかき分けて買いに行った。さつまいも味のポンデケージョのようだ(旗にも英語で小さく書いていた)。そろそろいっぱいになってきた胃袋に鞭打って、無理やりつめこんだ。
他にも、見たこともないフルーツが陳列されていたり、レトロなゲームが置かれていたり、豚の丸焼きがあったりと、とにかく目に楽しく、賑やかで活気があった。
このペースで書いているとものすごく長くなってしまいそうなので、以下、簡潔に振り返る。
●国立故宮博物院
紀元前2000年から19世紀の清まで、中国の歴代皇帝が受け継いできた文化財が一堂に会する場所だそう。ちょうど前日に行った士林夜市の最寄り駅・士林からバスで30分ほど。山の上にある巨大な博物館だ。
歴史好きな同行者が興味深げに館内を渡り歩く横で、私は激しい睡魔に襲われ半分寝たまま移動した。たくさんの綺麗な器や民芸品、巻物などがうっすら記憶に残っている。唯一、強烈に印象に残った像があるので載せておきたい。
●台北101
台北のシンボルタワー・台北101へ。その高さ508m。大規模なショッピングモールと一体となっており、広々としたフロアを抜けて展望台へと向かう。
●総統府
総統は日本語の大統領と同義。総統府は官邸のこと。日本の植民地下である1919年に建設された「台湾総督府」を修復し、現在も使用している。展示フロアでは、総督府の始まりから現代の民主化の流れまでをパネルなどで紹介している。
印象的だったのは、国内のアーティストが「総統府とは」をテーマに描いた作品群。このアーティストは“傘”に見立てて、総統府が雨よけになる=国民のために奉仕する機関であることを表現した。
こちらは牛を総統府にたとえ、手綱を持つ子どもは国民だ。国民が意思を持って行く道を決めるという民主主義の精神を表している。
絵は他にも複数あり、いずれも同じような関係性を描いていた。これらの絵を展示している総統府の懐の深さも感じられる。
他にも、ガイドさんが「デモは国が前に進む力であり、総統府と国民間のコミュニケーションの機会。国民が希望を伝えたら総統府は耳を傾けなければいけない。それが日常になっている」と説明してくれた。民主主義がしっかり機能していることが羨ましかった。
●おまけ
街なかで見かけたお店の看板。朝鮮大学校で教わったソンセンニムのお名前と“へん”違いで、つい撮ってしまった。
台湾のモスバーガー。メニューが日本と全然違う。
おしゃれなカフェが多かった。台湾では近年、古い建物をリノベーションしたカフェが流行っているそうだ。
地下ショッピング通りの雑貨屋で一目ぼれして購入した缶バッジ。日本円に換算して、確か3つ400円ほど。
地下歩道に展示されていた子どもたちの絵。のびのびしていてかわいらしかった。
次回は台北以外の場所(九份、十分、台中、高雄)で見たものを紹介する。(理)