特集：豊かな同胞社会へ―主役は私たち―

いま在日同胞社会で30～40代の青商会（在日本朝鮮青年商工会）世代が元気だ。
「豊かな同胞社会のために！　子どもたちの未来のために！」　
パワフルで行動力のある若い世代がそれぞれの地域で同胞社会を牽引する役割を担っている。民族教育支援に経済・生活サポートといった地域密着の活動が人と人をつなぎ、コミュニティを活性化する。
新たな時代の「主役」へ。日本各地の青商会の取り組みを紹介する。

同胞ネットワークの中心を担う
継続こそ力、アイデアと実行力で勝負
座談会／江戸川青商会

青商会第15期総会で最優秀KYC賞を受賞した東京都江戸川地域青商会のメンバー。写真左から李英福直前会長（41）、鄭仁洙幹事長（39）、康勝恩会長（40）、姜徳寿副会長（40）

７月の青商会総会で最優秀ＫＹＣ賞を受賞した東京都江戸川地域青商会。
会長はじめ中心メンバー４人に集まってもらい、日常的な活動内容や青商会への思いなどを語ってもらった。

子どもたちに笑顔を、同胞社会に力を
優秀KYC賞を受賞した神奈川県川崎地域青商会

川崎青商会の常任幹事たち。前列右から３番目が許道成会長

７月31日、川崎市浜町にある総聯川崎支部。３階の講堂の開け放たれた窓から焼肉の香ばしい匂いが漂い、同胞たちのにぎやかな声が聞こえてくる。この日、川崎青商会が主管して行われるはずだった川崎同胞川遊びイベントは悪天候で中止に。代わりに、即席のバーベキューが行われた。準備に後片付け、場の盛り上げ役まで、同胞が集まる場の中心には青商会がいた。

世代交代の中心で、未来に対する責任を
若い世代のネットワーク広げる長野県青商会

長野青商会と朝青のメンバーたち。毎週長野初中で行われるサッカー部活動を通じて、交流を深めている。前列左から３人目が趙悌仁会長

長野朝鮮初中級学校を中心に同胞たちがネットワークを築いている長野。ここ長野の青商会では近年、「同胞社会の未来を左右するカギは自分たちにある」という気持ちを共有し、学校支援や子どもたちの教育問題の悩み共有など、地道な取り組みを通じて地域同胞社会を活気づけようと奮闘している。

伝統の「結束力」と「機動力」で、地域同胞社会の中心に
地域独自の活動を展開する京都府伏見地域青商会

「結束力はどこにも負けない！」とおなじみのピラミッドを披露してくれた伏見青商会のメンバー。てっぺんが会長の白善斗さん。着ているのは千里馬のロゴが入った伏見青商会のオリジナルTシャツ

　「継続」「密着」「発展」を今期のスローガンに掲げる伏見青商会。過去に３期連続で府青商会会長を輩出する「つわもの」ぞろいの伝統ある青商会だ。「人間くさいメンバーが多い」と話すのは会長の白善斗さん（40）。地元愛が強く、結束力はピカイチと自負する。青商会第15期総会では、４度目の優秀ＫＹＣ賞を受賞。惜しくも最優秀ＫＹＣ賞を逃したが、その悔しさを地域に還元しようと現在、府下青商会で進行中の運動「パワフルキャンペーン」に奮闘している。

いつまでも仲間が集まる同胞社会に
ハッキョがない地域で民族教育に取り組む鳥取県青商会

鳥取県青商会のメンバー。右から２人目が申昌浩会長

７月31日快晴の下、鳥取県と島根県の県境にある海水浴場に80人もの同胞たちが集まった。この日行われたのは鳥取、倉敷、島根の青商会合同による海水浴。約半数を占めた子どもたちは、透き通る美しい海に大はしゃぎだった。同胞数が少ない鳥取と島根、岡山朝鮮初中級学校がある岡山県の倉敷、この三つの地域が合同で行事をもつのは、若い世代の家族同士が交流を深めると同時に、子どもたちが集まりともに遊ぶことで「朝鮮人である」ということを感じ取ってもらいたいという思いがあるからだ。

成長した力量を同胞社会のために
地域の中核を担う九州青商会

九州青商会の会長、幹事たち。前列中央が許清昊会長、右から２番目が梁植源直前会長

７月末、九州青商会はエキサイティング・キャンプの準備に追われていた。エキサイティング・キャンプは、茨城のセッピョル学園の成功に刺激を受け、同胞の子どもたち（小学校高学年）に学校や地域を越えた「つながり」を持ってもらおうと山口県青商会と合同で行ったものだ。実行委員会の会議では、２泊３日のキャンプをいかに子どもたちの心に残るものにするのか、さまざまな意見を出し合い話し合う。

青商会が同胞社会を盛り上げる
インタビュー／洪萬基　第15期青商会中央会長

７月２日の第15期総会で選出された洪萬基・青商会中央新会長に、自身の抱負と今期の活動方針、青商会が同胞社会で果たすべき役割などについて聞いた。