菜の花を飼う
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先週、夕飯で菜の花を使ったおかずを作りたくなって退勤途中スーパーに寄った。陳列台を見つけると、ぴよりと黄色い花を咲かせているものが。
せっかくだからと花付きを購入し帰宅後、そのまま食べてしまうのはもったいなく、もう少しで開きそうな蕾も数個あったので試しに花がついている部分だけ水につけておいた。
翌朝。すでに昨日よりも開いている花に嬉しくなりながらコップの水を替える。日当たりのいい場所にコップを置いて取材に出かけ、夕方自宅に戻ると…、!
すっかり咲いている。一日でこんなに変わるものなのかと感動した。同時に、(いつかは枯れちゃうのかな…)という考えが浮かんで早くも悲しくなった。もう愛着がわいてしまったのである。
そもそも花が枯れたらどうなるのだろう。その部分だけ取り除いたらまた野菜として普通に食べられるのだろうか。そんな興味もあり、いつかくるその日まで毎日記録を残しておこうと決めた。以降、ブログの順番が回ってくる今朝まで10日間にわたって観察を続けたので経過を紹介したい。
3月25日(木)
次々と花が咲いてきて一瞬こわさを感じる。色づいて今にも開き始めそうな蕾も明らかに増えている。
また、この部分がなんだか触手のように見えてうっすら不気味に感じた。
3月26日(金)
最初に生けたコップが窮屈そうになっていたので昨日のうちに少し大きいコップに替えておいた。どんどん伸びている。これは切った方がいいのだろうか、それとも伸びるまま伸ばした方がいいのだろうか。
3月27日(土)
一番長いものはどこまで伸びるか、長いコップに移して様子を見ることにした。もう野菜としては見れていない自分がいる。
だいぶ花びらが落ちてきた。
3月31日(水)
見事なまでの3日坊主を発揮してすっかり存在を忘れたまま水やりも怠っていたら、一番長く伸びていた方がこんなことになってしまった。花びらもほとんどがしおれて落ちている。
4月1日(木)
これはもう限界かもしれない。折れているところを切り、もとのコップに戻してやった。
4月2日(金)
そうして今朝である。大きく変わったところはなし。蕾はたくさんついているものの、次々と咲いていった時のような色ではなく、くすんでいる。
いま見返すと、花の咲きがピークを迎えて以降、自分の関心も急激に薄れていったのが分かる。早々に愛着を抱いていたにもかかわらず薄情な人間だ、と自省した。
この観察日記で得たものは、やっぱり自分はズボラだなという再認識だけだったのではと気づいて空虚な気持ちになった。
せめて当初に浮かんだ「食べられるのか」という疑問は身をもって解きたい。モチベーション的にも今夜が食べ頃だろう。(理)