神戸朝鮮初中級学校
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今月のウリハッキョ
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意欲的な取り組みで溌剌とした学校に、学校が地域同胞社会の中心に
「4・24教育闘争の伝統があるこの地域は、今も同胞たちの民族教育に対する関心が高い」と説明するのは神戸朝鮮初中級学校の金錫孝校長(44)。1995年1月の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた同校だが、地域の同胞たちが力を合わせ新しい校舎を建設、現在は充実した施設をはじめ素晴らしい教育環境が整っている。
この数年間、力を入れて取り組んできたのがウリマル教育。附属幼稚園の園児から、初級部、中級部、そして教員まで、読み書き喋るの基本能力を高めるために努力してきた。毎朝の発音練習を欠かさず、初級部低学年も含めた「ウリマル学生委員会」を組織して、児童・生徒自身の運動として取り組んできた。そして、創立65周年を迎えた昨年、「ウリマル模範学校」の表彰を受けた。
実際に、入学して間もない初級部1年生でも、ほとんど100%、ウリマルで授業が進められている。附属幼稚園に通う間に、ウリマルを基本的に習得しているからだ。金校長は、「ウリマル学習をただのウリマル能力向上だけのものとせず、学力アップ、民族性の育成など子どもたちの全般的な力を育むためのものとして捉えている。学校として新しい時代の朝鮮学校のあり方を追求していきたい」と意欲的だ。
教室を覗いてみると、音楽の授業をコンピュータを使って行っていたり、日本語の授業でジブリのビデオを見ていたり、体育の授業に柔道を取り入れたりとユニークな授業が多いという感じで、子どもたちも先生も、学校全体が溌剌としているという印象を受けた。
附属幼稚園、同校では昨年から2歳児から受け入れ4年間の保育を実施している。保護者の要望などにより始められたもので、昨年2人の2歳児を受け入れスタート。評判がよくて、今年は8人が入園した。「一人を除いてみんなオムツをしています。トイレや食事のことなど、カリキュラムの中心は基本的な生活がきちんとできるようになること」と語るのは、幼稚園の責任者を務める李紗香先生(29)。教室をのぞいてみると、ウリマルの歌にあわせて自分の名前が呼ばれると、2歳の子どもたちが「イエー」と可愛く返事をしていた。
保護者たちの学校を愛する活動も活発だ。伝統のあるオモニ会では、キムチの販売や空き缶、ベルマーク収集などで毎年多くのお金を学校のために集めている。アボジ会も学期に1度の労働奉仕、サッカー教室・サッカー大会の運営、交流行事の実施などで学校のために汗を流す。また、同校には祖父母会というものがあり、ハラボジ、ハルモニたちも花壇を作るなど孫たちのために活動する。創立60周年のときには、オモニ会と祖父母会が学校に通学バスを送った。また、幅広い同胞、日本の支援者たちが「1口1000円運動」を繰り広げている。
「現在、地域の分会などの中心メンバーが学校を支えている。また、学校が地域同胞社会のネットワークの中心となっている。昨年の創立65周年を契機に学校も地域同胞社会も活性化された」と金校長は語る。