イオを地方から眺める
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創刊から通巻300号を迎える月刊イオ。記念すべき6月号の締切まで本日を含め3週間になった。
この間に実施したアンケートには、新鮮なアイデアやこれからの課題を示す内容、仕事の姿勢に対する叱責、その他たくさんの感想やメッセージが寄せられた(ご協力コマッスムニダ)。アンケート結果は集計し、誌面に反映する予定だ。
その他の企画の準備も着々と進んでいる。ここでざっくり内容を紹介すると、
・座談会「月刊イオのこれからを考える」
・イオ編集部OB・OGが振り返る懐かしのバックナンバー
・私とイオ~編集部員のひとりごと
・読者プレゼントコーナー拡大版
などがある。これに加えて、朝鮮学校がなく同胞数も少ない地方ではイオがどう読まれているか、同胞たちにとってイオはどんな存在になっているか探る企画も。現在、取材のため九州地方を訪れている。今回まわるのは自分も初となる鹿児島、佐賀県だ。
オモニが登場した創刊間もないイオの号をいまだに大事に保管しているという同胞、普段からしっかり読み込んでおり最近は「3.11特集」がよかったという同胞…、また「懐かしい顔が見られると楽しい」という声はみな共通だった。
「全国の同胞の暮らしやハッキョ、同胞たちが置かれている立場のこと、そういう情報は重要ですよ。ここは同胞がほとんどいないし、たくさんの同胞と会って話す機会もないし。だからこそ他の地方よりも情報が大事」
記者1年目の終わりに大阪の泉州支部を訪ねた際、当時の支部委員長が仰っていた言葉を思い出した。「ここら辺は生野に比べて同胞も少ないし、イオが唯一の同胞社会との接点というオルシン(お年寄り)もおる」。
このような言葉を聞くと嬉しく、これからも頑張らねばという思いにはなるが、同時に、同胞の少ない地域で暮らす読者たちがいつも「懐かしい顔」を探すだけの誌面ではなく、つながりが感じられたり参加意識を持てるような雑誌にもしていきたいなと感じた。
実際、もともとはイオを購読していたが、定期購読料の支払いを忘れて自然と契約が切れてしまったきり関心も薄れて今は読んでいないという方もいた。自分も参加している、自分にもどこかつながる部分があると感じられていれば、引き続き読んでいたのではないだろうか。
関東や大きい都市の情報、大きな運動の情報、大きなコミュニティの情報ばかりになってしまってはいないか。改めてイオの誌面内容を少し俯瞰することができた。
一番は何度も足を運ぶことが大切だろう。実際に人と会って話を聞き、場所をめぐることで、その地ならではの同胞社会の在り方や地域・同胞史などを知ることができる。総聯の連絡網の中に何人ほどの同胞がいるか具体的な数を聞くと、「意外とそんなに」と驚くこともある。取材のネタになりそうなこともたくさんあった。
本日以降は佐賀での取材。もう少しイオを地方から眺めてみたい。(理)