入管法改悪反対、続く抗議行動
広告
本ブログでも4月23日更新のエントリで伝えた通り、「出入国管理及び難民認定法」(入管法)改悪の動きに内外で批判が高まっている。日本政府が今年2月19日に閣議決定した入管法「改正案」の国会審議が4月中旬から始まったのを受けて、在日外国人当事者や難民支援団体などこの法案に反対する人びとによる抗議活動が続けられている。
https://www.io-web.net/ioblog/2021/04/23/84943/
入管法「改正案」の問題点はリンク先のエントリでも指摘しているが、今一度要点をおさえるなら、▼「難民認定を申請している人は強制送還しない」という規定を申請2回目までに制限し、3回目以降の申請については強制送還も可能にしようとしている、▼オーバーステイなどで退去強制令書を発付された外国人が自ら退去しないことに対し、刑事罰が適用される、などだ。
「国へ戻れば命を失うおそれがある人たちを強制送還させることは極めて強い人権侵害だ」と弁護士や支援団体は強く批判している。国連からも幾度となく懸念が示されている。
日本の入管の収容者に対する処遇の劣悪さは、最近でも、名古屋入管に収容中のスリランカ人女性が3月6日に死亡した事件で入管側が適切な医療を提供していなかった疑いが濃厚になるなどたびたび問題になっている。
先日取材した国会前のシットインでジャーナリストの安田浩一さんがいみじくも指摘していたように、「日本にはまともな外国人政策などそもそもない」。外国人を管理・監視する仕組み、外国人を追い出す仕組みはあっても、外国人の命と人権を保障する仕組みはほとんどない。
司法による承認のない拘禁、上限のない収容、生命が脅かされる危険のある国への強制送還など人を人として扱わない日本の入管行政の非人道性は今に始まったことではない。
周知のとおり、入管は戦前、内務省の管轄だった。特高警察を抱えた部署が入管政策も担っていた。そして、戦後しばらくの間、入管の対象は在日朝鮮人だった。戦前、特高警察だった人間が戦後の入管政策に携わってきた。その体質が今も残っている。
入管は自分たちが判断すれば司法の介在なく身柄拘束できるし、国外へ追い出すこともできる。
現在は特別永住資格を有しているが、かつての在日朝鮮人にとって「大村」がどのような存在だったのか。過去の歴史を振り返ってみてもそうだし、普遍的な観点から見ても、私たち在日朝鮮人にとって入管の問題は他人事ではない。
本日5月7日に自民党が強行採決を目論んでいるという情報がSNSに流れてきた。いつ強行採決があるか、予断を許さない状況だが、国会前(衆議院第二議員会館前)では移住連による緊急アクションとしてシットイン(座り込み)が行われる(午前9時から法務委員会の終了時刻まで)。
現場に行かなくても、リレートークなどのツイキャス配信を視聴したり、Twitterでのハッシュタグ付きのメッセージ投稿などSNSを通じた参加も可能となっている。
https://migrants.jp/news/event/20210503_2.html
(相)