二つの言葉
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昨日、【イオ ニュース PICK UP】で九州無償化裁判の上告棄却を報じた。原告の一人に電話で思いを聞くと、怒りや悲しみのあとに、権利獲得のため変わらず声を上げ続ける決意を語っていた。
「私たちが声を上げてこそ、日本の人たちにも周知され、少しずつ状況が変わっていくはず。今回の結果を受けて沈むのではなく、同胞たちがより一層団結して声を上げていかなければならない」
この言葉を聞きながらふと頭の片隅に浮かんできたのは、ちょうど昨日の午後、千葉朝鮮初中級学校でお会いした日本の方の言葉だった。
「朝鮮学校が公的援助を受けられていないことを知って、これは放置できないと思った。当事者よりも、それを見ている周りが声を上げた方がいいと思うので、行政へのかけあいだったり、世論につなげたり、自分ができることをやっていきたい」
どちらも、「まず自分たちが声を上げよう」「それでこそ改善につながる」と考え、話していた。
冒頭の上告棄却に関する報道が初めて出たのは先週の日曜日(毎日新聞ネット版)。私も結果を知って暗くなっていたが、この二つの言葉を聞いて少し気持ちが晴れた。
民族教育を取り巻くさまざまな問題について、諦めず、方法を模索している人がまだまだいる。それだけでなく、近年になって初めて諸問題を知り、主体的に受け止め連帯する人も増えている。それぞれがまた新しいつながりを生んでいる。引き続き多くの人の言葉を集め、広く発信していく必要性を実感した。(理)