「ボラプ」で好きになった俳優のこと
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先週の金曜日、ソワソワしながら家路に着いた。
映画館で4回観に行った「ボヘミアン・ラプソディ」が地上波初放送だったからだ。
予めキンキンに冷やしていたグラスを取り出し、ギネスビール(アイルランド発祥のビールだが、Queenはお隣のイギリスのロックバンドということで)を片手にテレビの前に待機した。この日ばかりは宅飲み解禁だ。
放送した瞬間に飲み始める。
「地上波初」「本編ノーカット」という響きは妙に興奮する。
…ここでボヘミアン・ラプソディ(ボラプ)を4回観に行った理由のひとつを少し書きたい。
初めてボラプを映画館で観た時は、「めっちゃ面白かった!よっしゃもっかい観よ!!」という単純なものだったが、次第に私の興味は主演のラミ・マレックに向かい始めた。
かれはフレディと同じ、移民の家族の下で生まれた。
インタビュー記事では、エジプト系アメリカ人としてアイデンティティに悩んだ幼少期、育った環境や文化の違和感、業界の「ステレオタイプの役柄」への拒否感(テロリスト役が多かったことから、アラブ系や中東系を否定的に描いた役は金輪際受けない事にした)などを多く語っている。
興味が出れば、生い立ち、人となり、発言などが気になる。それらを調べたり読んだりして、さらに好きになり、やがて出演作品を片っ端から観始まる。
ラミ・マレックも、私の「推しまっしぐら」お決まりコースの一人となった。
かれはフレディ役で、2019年の主要アワードを総なめにした。受賞スピーチでは節々にかれの聡明さが伺える。
その中でもオスカー受賞スピーチは特に好きで、興奮と喜びの中でも愛する人たちへの感謝の言葉、マイノリティである自身のルーツに触れながら、フレディを讃えた言葉には深く心に刺さった。
かれのバックグラウンドに触れた上で改めて映画を観ると、自身とフレディとのルーツを重ねながら挑んだ役だからこその深みが見えてくる。
…話は戻って、本作の醍醐味であるライヴエイドのシーンの時だけ部屋を暗くして大音量で観たが、どうしてうちのテレビはこんなに小さいんだと悔しくなった。
ど迫力の臨場感と感動を求めるなら、やっぱり映画館…!それに尽きる。(麗)