いろんな사투리(方言)
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10月号のウリマル特集では、2世、3世が記憶する故郷の言葉について、SNSを通じて応募。
楽しい話がたくさん寄せられました。ご協力いただいた方々、コマプスムニダ!
投稿には慶尚道(경상도)出身の方が多かったですね。同胞たちが記憶するサトゥリはどれも興味深かったのですが、そこに込められた思い、当時の生活環境、祖父母と孫の関係が見えて、胸が熱くなりました。私の義母は日本の学校しか通っていませんが、一世の元で育ったので、言葉の端々に朝鮮語が飛び出します。비비する、지지するなどです。そんな言葉を集めたら、同胞版の方言辞典が作れるんだろうとも、感じました。集まったサトゥリの一部を紹介します。
●金智仙さん(3世)
長い休みは山口県のハルベ、ハンメ(母方)に預けられ、その間はネイティブ慶尚道サトゥリに触れていた。
チャランポランしていた私は、ハンメによく「싱개비(シンゲビ)※」と言われていた。ニュアンスとしては「このお調子者」だと思っていたが、違ったようだ(笑)。
「塩気が足りない」という意味の「싱겁다(シンゴプタ)」は、「やることや言うことが面白みがない」という意味で「싱거운 사람(シンゴウン サラム)(つまらない人)」のようにも使われるが、
「싱개비」は「싱겁+이(シンゴビ)」(싱거운 짓을 하는 사람(シンゴウン ジスル ハヌン サラム):つまらないことをする人)をもとにしたサトゥリだと思う。
ちなみに不惑を迎えた今になっても、オモニからよく「シンゲビ」と言われる。
※싱검쟁이、싱겁이の方言(慶尚道)
●朴真樹さん(3世)
同居していた1世のハンメ(祖母、慶尚道)は、孫たちが聞き取れるように意識して日本語で話してくれていたが、興奮した時、とっさに口をついて出るのは朝鮮語、普段の言葉であるはずがない。
「또 지랄한다!(ト チラルハンダ)」。私たち内孫は3姉妹だったので「가시나(カシナ)※1」は、よく言われたものの、「무시마(ムシマ)※2」は、ほとんど聞く機会がなかった。
※1계집아이の方言(慶尚道、全羅道、忠清道)、※2사내아이の方言(慶尚道)
●金優子さん(2世)
ハンメの言葉で、いちばん印象に残っている言葉は3つ。
「かっこう(学校)잘 댕겨요?(チャル テンギョヨ)」「뭐 하노?(ムォ ハノ:何してんのん?)」「뭐라카노?(モラッカノ:何を言うてんのん?)」とよく言っていた。
내 고향은 겡상남도입니다(ネ コヒャンウン ケンサンナムドイムニダ)。
●尹享月さん(3世)
祖父母がよくかけてくれた済州말だ。
父方は、ハラボジ、ハルモニ、母方はハラボジ、ハマニンと呼んでいた。 父方も母方もハルモニが料理上手で、ハラボジの作るキムチも絶品だった。
祭祀や食事では海のものが多く、ハルモニがすっぽんの血を飲んでいた時にはびっくり!天草からところてんを作ってくれたことも覚えている。魚も骨まで綺麗に食べていた。
親が靴工場を切り盛りするのに忙しく、父方の祖父母とは幼稚園の年長まで大阪市で同居。祖父は男の兄弟が幼い頃に亡くなり、男尊女卑だったものの、初孫の私を溺愛してくれ、ハッキョの授業参観にも毎回来てくれていた。小さな鯛が大好きで、故郷の海で色々捕まえることが大好きだったそうだ。
※망아지(子馬)の済州島サトゥリである몽생이と새끼が合わさった造語と思われる。
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