守る、私たちも― 「東京朝鮮第4を支援する会」が結成
広告
支援する会の共同代表を務める西澤清さん
「支援する会」都内で6校目
「東京朝鮮第4幼初中級学校を支援する会」の設立総会が10月17日、東京都足立区の同校で行われ、共同代表に田中宏・一橋大学名誉教授(84)、西澤清さん(83)、事務局長に鴻巣美知子さん(72)ら役員が選出された。
都内には9つの朝鮮学校があるが、日本市民による支援の会が結成されたのは、東京第2、東京第6、東京第9、西東京第1、第2に次ぐもの。支援する会は、東京第4初中が地域に根付き、子どもたちが元気に羽ばたけるように学校の教育環境・教育条件の整備に取り組んでいくという。現在、会員は約30人。
支援する会は、2020年2月に準備委員会を結成し準備を進めてきた。
東京第4初中を支援するための、行政、議会、住民へのアプローチはすでに始まっており、同校への補助金停止を求めて区長を訴えた排外主義者の裁判をめぐっては、20年7月21日に区長に会い、要請書「朝鮮学校は足立区の多文化共生社会への扉 瞳のように大切に」を手渡し、応援を約束。裁判は21年5月28日、高裁で勝訴を勝ち取った。21年6月12日には、朝鮮大学校教員で同校出身の金哲秀さんを講師に呼び、講演も行った。3年前に開設された同校の付属幼稚班への支援も始めている。
同校の李圭学校長をはじめ、同校保護者、地域同胞、日本市民ら約180人が参加した総会では、西澤共同代表が設立の趣旨と今後の活動について説明した。
西澤さんは、「足立区八中を1951年に卒業し、その頃から友人がいっぱいいました。第4は西新井橋のたもとにあったころから知っています。第4は、長い歴史と大勢の在日の方が支えていて力がある。在日朝鮮人の方々たちが足立区の産業の基本を作ってくれたと思っています」と同校との縁について伝えたうえで、今後の抱負を語った。
「朝鮮学校が厳しい状況に置かれた大きな流れの中で、第4の先生、保護者、子どもたちが気持ちよく立派に暮らしていけるよう、足立区全体でこの学校を守っていきたい。足立区が多文化共生社会を作るなかで、この学校に重要な役割を果たしていただきたい」
続いて田中宏共同代表が「朝鮮学校の立ち位置について」と題して講演を行い、朝鮮学校をめぐる日本政府の差別が戦後一貫して続けられていること、国連では是正勧告が重ねられるも、政府はこれを一切無視していると指摘。「どのように学校を守っていくかが問われている」と問題提起した。
事務局長の鴻巣美知子さんは、「交流の最初のステップとして、朝鮮学校のお母さん、お父さんたちとお話がしたい。もっと安心してお会いできる日が来ればうれしい」と語り、元保護者の申嘉美さん(56)は、「無償化裁判で負けたのはくやしかったが、こうしてより強く日本の方々とつながれることが嬉しく、感慨深い。日本の方々はそれぞれ市民活動をしながら、朝鮮学校を言葉ではなく、行動で支援してくれる」としみじみ語っていた。
設立総会には、同日に開かれた公開授業とふれ愛コリアフェスタ2021に参加した保護者や地域同胞も同席。子どもを預けていた保育所の先生との出会いを懐かしむなど、支援する会を通じて、足立に暮らす人々が再会を喜ぶ様子もうかがえた。(瑛)
広告
第4朝鮮学校を支援する団体が結成された事嬉しく支持します。頑張って下さい。