人と人との関係性の多様さ、複雑さ
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職業柄、紙、ウェブ関係なくさまざまな媒体のコンテンツに目を通している。日々のニュースをチェックするという目的ももちろんあるが、自分が編集に携わっている雑誌のネタ探しや編集の参考にするためでもある。
とくに人物ルポやインタビューモノは関心を持ってチェックしている。
最近この分野で面白いと感じているのが、朝日新聞が運営するウェブマガジン「&」の「おふたりさま図鑑」。https://www.asahi.com/and/serialstory/combi/
「二人組」に特化したインタビューシリーズで、昨年10月から不定期で連載中だ。アーティスト夫婦、建築家夫婦、映画監督と脚本家、登山家コンビ、ミュージシャンなどさまざまな二人組に迫っている。個人ではなく二人組に焦点をあてて、その関係性から見えてくるものを掘り下げるという点で、一般的な人物インタビューやルポにはない面白さを感じている。
筆者の奈々村久生さんは、「二人組」にフォーカスしたインタビュー企画を続けている理由について次のように書いている。
「人はなぜ、誰かと一緒にいようとするのか、ずっと気になっていました。それによって手にするもの、あるいは失うものとは何なのか。そこでたどり着いたのがコンビの存在です。…『二人』は人づき合いの最小単位。その関係性に触れ、多様なコンビのあり方から、他者と共に生きるためのヒントを探していきたい」
https://www.asahi.com/and/article/20211028/410490844/
日々の仕事や私生活で人の関係性のあり方の多様さ、複雑さに触れる機会は少なからずある。パートナーシップの最たるものといえば夫婦だろう。
来年1月号から本誌「イオ」の誌面がリニューアルされ、新しい企画も始まる。人と人との関係性の多様さ、複雑さを見つめることを通じて、この社会のあり方を考えるような企画をできればいいな、と思っている。(相)