2022年の新年号を作りながら
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あと10日で新年号の校了を迎えようという今、編集部は、福井、関西地方への出張、新連載の準備と、一年で一番と言えるくらいの「繁忙期」を迎えています。
2003年から編集部にいる私はというと、編集部では最年長、年齢とともに凝り固まった脳を、他の編集部員の考え方や視点を通じて刺激しながら、新しい雑誌作りを試行錯誤する日々でもあります。
わが編集部は記者、デザイナーを含め6人の小さな集団ですが、個性豊かで、自分の考えをしっかり持ち意見もできるタイプだと思っています。北海道、大阪、長野、東京など、出身地域もそれぞれです。
イオの編集内容は、その時々のメンバーにより変わります。スポーツの好きな記者がいると、スポーツネタが頻繁に出るなど、雑誌の「色」に違いが出てきます。もちろん、いつの時期にも、取りいれられない事柄や、こぼれ落ちる視点があり、編集者の能力として、「見えないものをどう見るか」—という姿勢が、雑誌作りにおいて大事な要素になってきます。20代の頃に、ある先輩にアドバイスされたのですが、自分の記事について意見してくれる人を「3人持っているべきだ」という言葉は当たっているな、感じます。ときに辛辣な意見も…。
毎年秋に行われる月刊イオの年間企画会議では、イオの読者はどんな人たちか、どんな暮らしをしているか、何を知りたがっているのか、など、ベーシックな議論をしますが、今年は300号を迎えたということもあり、込みいった話合いを重ねました。
そして、このような議論をしていると、無性に話を聞きたくなる人たちがいます。それは、イオを読んでいない人たち、つまり、同胞社会の「際」にいる人たちです。
同胞に囲まれ、朝鮮学校をはじめとするコミュニティの取材を重ねている私たちは、ともすれば、「イオはあってあたりまえ」との考えになりがちです。一人踏ん張っている人や、広い世界に飛び込んでいる人たちの、視野も取りいれたい。記事の一字一句に、まだ見えぬ読者の視点を盛りこめられるよう、格闘する日々です。
2022年1月号の校了日まであと10日!(瑛)