2年ぶりにユートピアへ
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새해를 열렬히 축하합니다!(あけましておめでとうございます!)
私は生まれも育ちも東京だが、父が福岡出身のため、これまでお正月は福岡で過ごしてきた。ここ2年間は、新型コロナウイルスが猛威を振るっていたので、おとなしく東京で過ごしたが、ハラボジがもうすぐ93歳、ハルモニも80歳を迎える。会えるうちにと思い、今年は私と父だけ福岡で新年を迎えた。
福岡への帰省は、小さい頃から一年でいちばん楽しみにしているイベントだ。
学生時代まではお年玉ももらえて、中級部の頃まではゲームやおもちゃも買ってもらえる。
女性陣はご飯やチェサパンチャンの準備で忙しそうだったが、大人たちはリビングであれこれ喋ったり、テレビを見たりする一方で、子ども勢は2階の部屋でこたつに集まり、お菓子を食べながらテレビを見たりゲームをする。眠くなったらこたつでうたた寝。時にはベッドで飛び跳ね、時にはかくれんぼ、時には家の前にある公園で遊ぶ。
昔は、大阪や北九州からも親戚が集まっていたので、とにかく大人も子どもも大勢いて、食べたいものを食べ、いろんな親戚のアジェ(おじさん)、アジメ(おばさん)たちに甘えられる。まさにユートピアの空間だった(笑)。
一方、大人になった今では、子どもの頃と違った楽しみ方がある。
大人の楽しみ方その①は、夕飯後の「二次会」だ。
「今から出ると?!」「危ないばい!行かんでいいちゃ!」とハルモニに咎められるも、20時、21時代にこのまま寝るわけにいかない大人たちといとこたちは、中洲へと繰り出す。どこどこは開いとるとか開いとらんとか、この店はなにが旨いとか言いながら、お店を探し歩くのは嫌いじゃない。
今年は、中洲の24時間営業のすし屋で新年を迎えた。
今年初めて知ったのだが、ハラボジの両親は50代で亡くなり、ハラボジきょうだいで78年もの間チェサを執り行ってきたという。
韓国にいたハラボジの姉が、28年間チェサを執り行い、ハラボジに引き継いで今年で50年目。今回でチェサを最後にするそうだ。
祖父母の気遣いで、長男である父だけが最後のチェサに参加することに。福岡にいる叔父たちも参加しないでいいし、私もチェサの時間に寝てていいと言われたが、同じ家にいて参加しないのもどうかと思い、自主参加することにした。
大人の楽しみ方その②は、空いた時間にぷらーっとドライブやおでかけを楽しめるようになった。
お昼ごろ、ドライブがてら父と「サニックスワールドラグビーユース交流大会2022 予選会」に出場している大阪朝鮮中高級学校の試合を観に行った。
帰りはショッピングモールでお土産選び。福岡帰省の楽しみの一つである。
親たちが良かれと思ってどこかへ連れ出してくれても、子どもからしたら退屈に感じることもある。私の場合、福岡に行く途中に京都や奈良、大阪、広島などいろんな地方をめぐり、九州でも熊本や長崎などを訪れてきたが、この年になって「ぶらり旅」の良さがわかるものだ。
1月2日は、行きつけの焼肉屋で夕飯を食べるのが恒例となっている。今年も今年とて。
社会に出てここ数年、叔父が、私と朝鮮大学校時代の友だちを食事に連れて行ってくれる。
以前は水炊き、今年は焼肉。2日連続など関係ない。とてもおいしかった。
大人の楽しみ方その③父や叔父の友人との交流
私たちが焼肉を食べている間、父は、金平団地時代からかれこれ55年ほどの付き合いになる同級生と飲んでいたのだが、従弟も呼んでそこに合流することに(笑)。社会に出た頃から、父や叔父の友人たちと二次会で会う機会が多くなった。
叔父たちもそうだが、父の友人も愉快な人ばかりで、トークが面白い。
そんなこんなで、大人になった今も福岡はユートピアで、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
今年は、「暇」を有効的に楽しむことができたので、寝正月にはならなかった。これまでは、大人にどこか連れて行ってもらわないと退屈で仕方なかったが、この年になると、自分の足でどこへでも行ける(とは言っても、博多駅まで2駅だし、今年は車移動ばかりだった)。
今年、寝正月にならなかった最大の要因は、2階のこたつが撤去されていたことだろうが、おかげで必然的にリビングにいる時間が増え、これまで聞くことがなかったファミリーヒストリーを聞くことができた。ある意味、ハラボジ、ハルモニを独占した、貴重なお正月だった。
さて、こんなに楽しいお正月なので、「生活リズム整える」だとか、「健康に気を遣う」だとかの目標は、新年早々打ち砕かれるものだ。記者になり、より自分の性格を知ることができたのだが、それを踏まえたうえで今年の目標を漢字一言で表すなら、「整」だ。
かっこつけて「律」などにしたいが、自分を律するほど厳しくないし、そもそも抜けているので、あまりガッチリとした目標を立てても、数ヵ月後には忘れているはずだ。現実的に、「身の周りのことを週1ぐらいで整える」ぐらいのゆるい目標を継続させたいと思う。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!(蘭)