積読がとまらない
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最近、本を読むのが楽しい。小学5年生の時に読書が好きになって以降(当時ブームになっていた『ダレン・シャン』がきっかけ)様々な本を読んできたが、高校~社会人になってからの数年間は、現在のように毎日なにかしら読んでいる、ということはなかった。
勉強や部活動、仕事などその時々の環境に慣れることに必死で、ゆったり本を読む心のゆとりがなかったのだろう。仕事のための本も一定数は読む必要があるため、そこに集中力を費やしていたということもあるかもしれない。
それでも仕事に慣れてきたのか再び少しずつ趣味の本に手を伸ばすようになり、その頃ちょうど朝鮮新報社の移転もあってバス通勤になったので、毎日の気分に合わせて本を選び、移動中に読み進めていた(その時期に書いた日刊イオの記事)。図書館を利用することも一気に増えた。
その後も基本的には本が近くにある生活をしてきたが、去年の秋あたりからだろうか。急激に読書欲が高まってきたのである。
イオで「私と本をつなぐ物語」という特集をしたのが11月号。関連する取材で、こだわりのある個人書店を訪ねたことも影響しているかもしれない。本屋はどこも同じではなく、「どこで選ぶか」によって受け取り方や出会えるものも変わってくるのだと知った。
興奮して新刊本を何冊か買い、それが「当たり」で火がつき、ほかの書店にも足を延ばしてさらに買い、読んでいる本で紹介されていた本も気になって購入し、そのようにして新しく知った作家さんの小説が面白くて中古書店の本棚を漁り、ついでに“読みたいリスト”に入れていた本にも手を伸ばす…という感じで、あれよあれよという間に所有する本の数が増えた。中古のオンラインショップでも買っているが、(これではお金がいくらあっても足りない)と焦り、図書館も頻繁に利用してきた。
もちろん読むスピードが追いつかないのでどんどんどんどん積まれていく。ふと、しばらく前にたまたま目にした、とある漫画家さんのツイートを思い出した。
たまに本をご恵投いただくのですが、積読がこの量でどんどん自然増殖して一番下のとか何年積んでる?という有り様なので全然読めなくて申し訳ないですが読む気はあるんですの気持ちです。今は『シソンから』『最後のライオニ』を読み終えて『となりのヨンヒさん』を読んでいます。 pic.twitter.com/zNlL10TFmq
— ヤマシタトモコ (@animal_protein) March 3, 2022
量に目をみはり、なんだかワクワクするともに、わが家にはいまどれくらいの積読があるのか気になった。家の中を行ったり来たりしながら(リビングと書斎にそれぞれ本棚があり、ベッドサイドにも本を積んでいる)読んでいないものを搔き集めたところ…
まあまあな積読具合だった。一人暮らししていた頃に買ってまだ読んでいないものもあり、「こんなの買ったっけ」「これ読むの途中になってたな」と、ついその場で読み始めそうになってしまう。本によっては買った時期や場所を覚えているものもあった。こうしてまとまった様子を見ると、もっとガシガシ読んでいかないとなと気が引きしまる。
雑誌などで、「あなたの本棚みせてください」的な企画がよくある。横にずらりと並んだ本を眺めるのも楽しいが、縦に積み重なった本を見ながら、それらの本をなぜ買ったか、どんな遍歴を経て積みあがったか、というようなことを語ってもらう「積読公開」企画も面白そうだ。(理)