vol.2 つまずきながら、輝きながら
広告
筆者●李香愛先生(41、西東京朝鮮第2初中級学校 教員)
1年生の修飾語といえば「반짝반짝」。ピカピカのランドセルに制服、筆箱に机、そして何よりも学ぶ意欲とその瞳がキラキラ輝いて眩しい。
一方、保護者にとってもターニングポイントだ。勉強にはついていけるか、友達とは仲良く遊べているか…、期待と不安が入り混じる特別な1年間となる。
「ピカピカの1年生」と言えども、教室が毎日、文字を読み書きできる喜びに溢れているかといえば必ずしもそうではない。成長の過程において「つまずき」はつきものだ。
2019年に私が初めて1年生を受け持った時、クラスに文字の習得が困難な児童がいた。何度繰り返しても、なかなか定着しない。保護者と相談を重ねながら放課後に補習を行ったりもしたが、すぐに効果は現れない。
頭を悩ます日々だったが、児童のオンマはとても前向きで、「私も子どもの頃、勉強は苦手だったので!」と笑い飛ばしては焦らず見守っていらした。しかしコロナの影響で翌3月には休校となり、そのまま2年生へ進級させることになった。担任としての義務を果たせなかったようで心苦しかった。
そんな児童も今では3年生、低学年の長だ。去る学期末には低学年(1、2、3年生)で縦割りグループを組み、宿題と学習道具を忘れないための競争を行った。その児童は1組のリーダーになった。一日の終わりに総括があり、忘れ物がなかったかを報告する。
「宿題も学習道具も忘れちゃった。ごめんなさい」
そう言いながら、統計表に「국어학습장(国語学習帳)、短文作り」と記した。リーダーとしてしっかりしなさいと口では叱ったが、心は大きな感動と何とも言えない喜びに満ち溢れていた。ウリマルも漢字も1字の間違いなく書けていたからだ。
つまずきながら、困難に立ち向かいながら、自分のペースで一歩一歩進んでいく。その積み重ねがピカピカ光る1年生、そしてその先の毎日を築き、支えているのだ。