【特集】初夏のさんぽ
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巣籠もり生活で内に向きがちな気持ちを、解放してくれる場所は?
今月は、編集部が初夏の季節に訪れた、さんぽみちを紹介します。
歩いた先々では、私たちが生まれるずっと前の歴史を感じ、
素敵なお店に出会うことができました。
新しい散歩道へ、ようこそ―。
都心に緑のオアシス、古墳が誘う歴史ロマン
●等々力渓谷(東京都世田谷区)
東急大井町線の等々力駅から徒歩3分。真っ赤なアーチが目を引くゴルフ橋のたもとから階段を降りると、そこは等々力渓谷。大都会・東京に突如出現した別世界。多摩川の支流である谷沢川の穏やかな流れに沿って、全長約1km、深さ10mほどの渓谷が続く。
川の下流に向かって延びる遊歩道を歩く。現地を訪れたのは6月下旬、梅雨も終わりに近づいた、晴れた蒸し暑い日。世田谷区内の最高気温は32度だったが、渓谷の中はいくぶん涼しい。ケヤキ、シラカシ、ムクノキなどの多様な樹木がうっそうと茂り、川のせせらぎが聞こえ、いたる所から水が湧き出る。…
【散歩コース】 等々力駅→等々力渓谷→3号横穴墓→等々力不動尊→野毛大塚古墳→多摩川河川敷(所用時間:ゆっくり歩いて2時間)
海岸に残る交易の痕跡を探して―
●鎌倉(神奈川県)
JR湘南新宿ラインに乗り、鎌倉駅に到着した直後、関東地方の過去最速の梅雨明けを伝えるニュース速報がスマートフォンを鳴らした。
平日にもかかわらず観光客でごった返す鎌倉駅から海岸方面へ歩く。本格的な夏の訪れを知らせる日差しの中、20分あまりで材木座海岸に着いた。海岸の砂浜が途切れる左端の岩場に建てられた「和賀江島」の石碑。和賀江島は1232年に築造された、日本で唯一残る鎌倉時代の港湾遺跡だ。日本国内はもとより、中国や朝鮮半島との貿易に使われたといわれている。…
【散歩コース】 鎌倉駅→和賀江島→鶴岡八幡宮→長谷寺→高徳院→由比ヶ浜(徒歩でゆっくり見て回って4時間、公共交通機関も使えば2時間)
小さな“ウリ”が 慎ましく佇む
●京都・今出川
JR京都駅からバスで約30分、堀川今出川停留所を降りて徒歩2分でパンドブルー堀川今出川本店に到着する。店内に入ると小麦の香りが鼻をくすぐる。こぢんまりとした空間には随時50種類ほどの商品が出ているそうで、しかもほとんどが税込140円というリーズナブルさ。あれもこれもとつい欲張ってしまう。地域の人々が入れ替わり立ち代わり訪れては、好みのパンにトングを伸ばしていた。…
【散歩コース】バス「堀川今出川」停留所→パンドブルー堀川今出川本店→同志社大学今出川キャンパス→李朝喫茶 李青→鴨川デルタ(所用時間:のんびり過ごして1~2時間)
広がる朝鮮東海―
●鳥取・境港
朝鮮半島とつながった海が、視界を広げてくれる―。
境港は、鳥取県境港市と島根県松江市にまたがる港湾で1896年の開港。山陰地方随一の良港と言われ、開港当時は朝鮮・元山との定期航路があった。朝鮮半島への玄関口だったことに加え、境港市が元山市と友好都市が結ばれていた時期もあり、故郷への郷愁を誘う。…
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