思い出の味~しんどい時の鶏スープ
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今、準備中の月刊イオ9月号の特集は、「朝鮮の食」です。
特集では、朝鮮半島の人たちは、四季折々の場面や年中行事でどんなものを食べてきたか。さらに、同胞社会に伝わる食文化を紹介します。
最近、家族の闘病生活が長引き、まっさきに作ったのが鶏スープでした。
京都に暮らすハルモニは、調子がわるくなったら、「鶏の足を買ってきて炊けばいい」とよく鶏スープを炊いてくれました。青ネギを散らしたアツアツのスープは、それだけで病気がよくなるような気持ちにさせてくれたものです。鶏うどんにも、鶏がゆにもできてスープを作っておくだけで三度の食事が助かります。
幼いころから、父方の実家がある京都には、盆と正月に2回遊びに行っていて、叔母が教員をしていたので、ひと月の間、預けられたこともありました。
今でも記憶に残る、小学校の頃のハルモニの「謎の行動」…。
ある日、私が魚を食べていたところ、魚の骨が喉につまってしまい…。
ハルモニがとっさにした行動とは、
魚がのった皿を、なんと私の頭の上に乗せた!
これ、何かの迷信か言い伝えなのか、どなたかご存知なら教えてほしいのですが、小学生の私は、「ハンメ、そんなことをする暇があったら、背中をさすってよ!」と心の中で叫んだものです(骨が喉に詰まっているので話せない!)。
時は過ぎ、結婚して新居に入る時に、「部屋の真ん中には、必ず炊飯器を置かなくてはならない」と、片手に炊飯器を担いできたシオモニ、そして、シオモニは、おもむろにビニールに入った小豆をアパートの周りにまきはじめたのでした。
「オモニ、なぜですか?」と聞いても、「昔からこうするみたい」との返事。解けない「謎」は、他にも色々とあるのですが、1世から伝え聞くことがあり、忠実にそれを守ってきたのでしょう。
食文化とは離れた話かも知れませんが、1世、2世のソンマッには、こんな話もたくさん散りばめられているのでは、と思います。(瑛)
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皆さんの、「思い出の味」、引き続き募集しております!
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【あなたの「思い出の味」聞かせてください】
月刊イオ9月号の特集では、読者の皆さんの「思い出の味」について紹介します。在日同胞ならではの家庭料理、オモニの味、ハルモニの味、故郷で食べた思い出の味…など、
あなたの大好きな朝鮮料理、懐かしい味について、聞かせてください。
字数は400字。
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採用された方にはクオカード1000円分をプレゼントします。