コロナ禍の中の出張
広告
先週金曜日から今週火曜日まで大阪、京都へ4泊5日の日程で出張した。
近畿方面への泊りの出張はほぼ1年ぶりだった。
今回の出張は出発4日前に急きょ決まった。急なスケジュール変更など日常茶飯事なので、これ自体は大したことではないが、新型コロナウイルスの流行「第7波」の中、薄氷を踏むようなギリギリの状況での出張となった。
出張が決まったのが息子が熱を出した時期と重なるというバットタイミング。病院へ連れて行ったところ、新型コロナウイルス感染症を含めたウイルス性感染症の検査結果はいずれも陰性だった。熱も下がったので、翌日保育園へ連れて行くと、熱があるということでお迎え要請が。その日の夜、熱は一時40度近くまで上がり、肝を冷やした。翌日以降も熱は下がらず。保育園はもちろん休まざるを得ない。病児保育や妻の在宅勤務で対応した。
新型コロナウイルスの流行「第7波」による医療のひっ迫が伝えられているが、筆者の周りでもそうだった。息子をかかりつけの小児科クリニックへ連れて行くと、待合室はすでに超満員、病院の外にも人があふれていた。息子は発熱で隔離対応のため、病院の外で待たざるを得なかったのだが、発熱患者の急増で待ち時間が長くなっているのだろう、予約した時間から2時間遅れでやっと診てもらえた。その間、炎天下を屋外で待つ羽目になった。
そして、病児の面倒を見る保護者の宿命というべきか、私も息子経由で風邪をもらってしまった。
熱はなかったが、のどに小さな違和感。症状がごく小さなうちにコロナのPCR検査を受ける。出張前日に陰性の結果通知をもらった。これで関門は一応クリア。
出張期間中も毎日体温計で体温チェックは欠かさない。のどの違和感は、痛みに発展しないまま数日で消え去ったが、次に来たのが鼻水。取材先で鼻をジュルジュルさせながら鼻声で話す私を見て、知人が「体調悪そうだけど大丈夫?」と心配して声をかけてくれた。相手に申し訳ない気持ちが湧き上がってきた。
オミクロン株の代表的な症状といわれている倦怠感、咳、発熱、頭痛、筋肉痛、鼻水、のどの痛みのうち、当てはまるのは喉の痛み(痛みとまではいえないレベル)と鼻水のみ。普通に考えると、子どもからもらった風邪なのだが、そんなのは素人の自己判断にすぎない。もしコロナだったら…。いや、そもそも感染症に対してセンシティブになっているこのご時世に、仕事とはいえ体調が悪い状態で他人と接触していいのか。
そんなことを思いながら、帰京前日、現地で検査を受けた。もしこれで陽性判定が出たら、この期間に接触した人たちに連絡を入れて謝罪して、家にも帰れないかもしれないな、などと考えながら。
結果は陰性。ほっとした。同時に、このような綱渡りの状態がいつまで続くのか、不安になった。
昨日27日に確認された新型コロナウイルスの感染者は20万9658人で4日ぶりに過去最多となった。東京都で確認された感染者は2万9036人。新型コロナウイルス感染症の流行にともなって、息子が通う保育園では、保育園の登園基準やお迎え要請の基準も厳格化している。コロナ以外のウイルス性感染症も増加している。
家族の中で誰か感染するのも時間の問題かもしれない。(相)