これぞ“同胞焼肉店”の安心感/焼肉ちから(鳥取県米子市)
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どの料理もボリューム満点で食べごたえがある。故郷は慶尚道という2世の河美子さん(74)が子育てをしながら切り盛りしてきたお店で、すべてのメニューに「家庭の味」のエッセンスが宿っていた。何を食べてもおいしいのだ。驚いたのはタン塩の分厚さ。カルビやハラミも秘伝のタレでしっかり味付けされ、これぞ同胞焼肉店の「王道」の印象。明るく楽しい河さんと、長男で店主の申昌浩さん(50)が常連客と和気あいあいと話す姿にほっこりする。
ちから盛り(ロース、カルビ、ハラミ、豚カルビ)や、ホルモン盛り(ミノ、テッチャン、ホルモン、ハツ)をまず頼み、ツラミ、ウルテ、タンツラなど、焼肉通のメニューを食してもいいだろう。締めはユッケジャン風テールスープ、チゲ、ホルモンうどんなど、豊富なラインナップで、チャンジャおにぎりなど軽めのものまでそろっている。
1979年9月にオープンした創業43年のお店。始まりはホルモン屋だった。2018年には店を改装し、
ソファー席や座敷も完備(31席)。ファミリー層やおひとり様で賑わっている。二代目の申昌浩さんは「オモニの味を残したい」との思いから店を継ぐことを決心した。「うちは高い肉ではないけれど、仕入れる時にいい肉を選ぶようにしています。タレへのこだわりもある。家族や友人同士で食べに来てほしいし、仕事帰りの街の人たちにもおいしく食べてほしい。幅広い層を受けいれられるようなお店にしたい」(申さん)。
現在は、広島朝鮮初中高級学校を卒業した後、鳥取で県青商会会長を歴任した申さんと母親の河美子さん、料理人の松本魁人さん(27)の3人で店を切り盛りしている。
店名の「ちから」は赤穂浪士四七人士の一人(大石良金、通称:主税)からとった。河さんの夫・申鉉道さん(79)が大雪の日にひらめきで名付けたことも懐かしい思い出だ。
Shop DATA
焼肉ちから
〒683-0804
鳥取県米子市米原2-3-22
Tel:050-5596-0523
17:00〜22:30(L.O.22:00)
定休日:火曜(火曜日が祝祭日の場合は翌日休み)
アクセス
JR境港線後藤駅から徒歩3分。だんだんバスホープタウン駅から徒歩30秒
メニュー
ちから盛り(ロース、カルビ、ハラミ、豚カルビ)2580円、ホルモン盛り1280円、厚切り塩タン1780円、チヂミ680円、ナムル盛り合わせ580円、ホルモン煮込み600円、ユッケジャン風テールスープ980円(すべて税込)