2022年を振り返って
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2022年、(瑛)最後のブログになりました。
今年も2020年以降の「コロナ禍での編集」が続いたものの、『新版 日本の中の外国人学校』を15年ぶりに明石書店から出版、2020年に本誌で連載した「オモニのうた」(絵・朴民宜、文・尹正淑)が同志社大学で展示になるなど、今までにない経験を積むことができた。イオ信用組合さんのおかげで、作品がカレンダーにもなり、何よりお二人に喜んでもらったことが本当にうれしかった。
月々の雑誌作りをしながらの外国人学校本作り。初版から15年を振り返る作業が精神的にこたえたが(教育権をめぐる日本の社会状況が後退しているため)、今振り返ると、現実に向き合うために必要な時間だったと思う。
同志社大学での展示は、「朴さん、尹さんのライフヒストリーを聞く」と言うコンセプトを打ち出した白凛さんのおかげで、名もない多くの二世の女性たちと出会うことができ、豊穣な語りに癒された。
雑誌発行は、記者やデザイナー、取材協力者、定期購読者、広告協力、何より、日本各地で読者に配布してくれる方々がいて、成り立つ。
2026年7月に迎える月刊イオ30周年!
編集内容、発行形態、読者対象へのリサーチ…。
一世代を重ねた30年を振り返りつつ、未来への道筋を描きたいー。そのための課題をはっきりと突き付けられた1年でもあった。イオ編集部に大学生のインターンを2人受け入れたことも、未来に向けた貴重な経験になった。(「イオで働きたい!」と編集の現場に来てくれた学生の声には心踊りました)
イオ編集部は、小さい子を育てつつ、親を介護しながら働く部員もいるし、生まれ育った地方を離れて新たに生活を築く人、また雑誌の仕事をはじめて間もないメンバーもいる。閉塞感漂う日本社会でこの仕事を続けることは、時に大きなストレスを抱えることについても、思うことが多かった。
昨日は編集部の忘年会だったが、今年1年のみんなの振り返りを聞きながら、何より一人ひとりの暮らしや幸せがあってこその雑誌作りだと感じた。
あるメンバーは、20代の記者に、聞いてみてねと曲をプレゼント。
10年の記者生活を振り返りながら来年の抱負を話したり、人生の新しい出発をすることになったメンバーを祝ったりと、おいしい焼き鳥を食べながら、泣いて笑った、いい夜だった
いつかの編集会議で(愛)さんが話した「オンリーワンの雑誌」-。
来年も、このコンセプトで味わいのある雑誌を作っていきたい。
1年間、ブログ「日刊イオ」を読んでくださり、ありがとうございました。(瑛)