緊張した初取材
広告
月刊イオ編集部に配属され、数週間が経った。そろそろ取材に行くことになるだろうと思っていた次の日、本当に取材に同行することになった。
初めての取材は緊張するし、写真も上手く撮れるか心配だった。
「取材は材料をとってくるという意味だ」とおっしゃっていた先輩記者の言葉が脳裏に残っていた。
入社以降、取材の意義とは何かをずっと考えていた。
4月13日、関東大震災時の朝鮮人虐殺関連の取材で編集長に同行し、千葉へ行った。
この日は晴れていて光量が多く、慰霊碑を撮るのに影ができ、撮影がとても難しかったが、自分なりに工夫して撮ってみた。何より、写真撮影は練習が必要だと実感した。緊張しすぎて、汗が止まらなかった。
4月14日には(鳳)さんと衆議院第二議員会館で「徴用工」問題の記者会見を取材した。
会見の部屋はすこし狭かった。
緊張して額の汗が止まらなくなり、カメラワークに支障がでた。
どうにか最後までやりきった時には汗は引いていた。
緊張したエピソードを紹介したが、後に2点重要なことを思い知った。
1つ目は、関東大震災時の朝鮮人虐殺のことも「徴用工」問題も、自分が生まれる前の出来事で、だからこそ取材を通して証言を聞くことで自分から知っていかないといけない。これを怠ると過去の歴史をわからないまま生きていくことになる。
2つ目は、歴史の事実について証言をしてくれる人や、記者会見を開いて声をあげてくれる弁護士、学者といった協力者が必ずいるということだ。
一緒に声をあげるというのは、同じ問題意識を持っているからだ。自分ももっと物の見方を鍛えないとダメだと痛感させられた。
取材後に、取材はその人の証言を聞き取り世に伝えるための大事な作業だと改めて感じた。
これからもっと経験と学習を積んで、立派な記者になりたいと思う。
最後に映画とその中で出てくる言葉を紹介したい。
タイトルは 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』
作中で記者 ジョー・ギャロウェイはこう言った。
「我々には世界を知る手段が必要です」
何が真実で何が嘘なのか。どのように私たちは真実を見極めればいいのか。
イラク戦争を題材にした、ある新聞社の記者たちの実話を基にした作品である。
世界が嘘の情報で溢れないように、自分が頑張っていきます。(國)